【Vol.034】【1級建築士・計画】住宅・集合住宅を完全攻略|形式の種類から制度・数値まで頻出ポイント総まとめ
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1. 住宅形式の種類【基本を確実に押さえる】
住宅形式は名称と特徴を正確にセットで覚えることが重要です。それぞれの時代背景や欠点まで問われます。
| 形式名 | 特徴・キーワード | 時代・補足 |
|---|---|---|
| コア型住宅 | 水回り・階段などをコア(中心部)に配置し、居室を外壁側に面して配置 | 1950年代初め〜60年代に多く見られた |
| コートハウス | 建物や塀で囲まれた中庭を室内のように取り囲む。北側居室でも採光・通風を得やすい。閉鎖的になりやすい。 | 1950年代初め〜60年代に話題となった都市型住宅 |
| 中廊下型住宅 | 廊下が建物内側に配置。廊下は暗くなりやすく通風が悪い。プライバシーは確保しやすい。 | 現在でも広く採用 |
| 通り庭形式 | 道路から裏庭まで達する細長い土間(通り庭)が設けられる伝統的な町屋形式。道路側から店・土間・客の順に配置。 | 伝統的な町屋住宅 |
| 四つ型・田の字型 | ふすまで区切られた部屋が連続。廊下なし。他の部屋を通らないと移動できずプライバシーを守りにくいが、ふすまを外すと大空間に。 | 伝統的な農家の間取り |
日本の集合住宅の原点:51C型
試験でよく問われる重要な用語です。51C型とは1951年(昭和26年)に策定された公営住宅の標準設計です。Cタイプにちなんで51C型と呼ばれます。
① 寝室が2つ → 親子の就寝空間の分離
② ダイニングキッチン(DK)の成立 → 台所・食事室と寝室の分離(食寝分離・2DK系の原型)
③ 公営住宅の標準プランとなり、戦後日本の集合住宅モデルとなった
2. 集合住宅の形式【各形式の欠点に着目せよ】
集合住宅の各アクセス形式は、特徴だけでなく欠点が頻出ポイントです。それぞれの弱点を軸に覚えましょう。
| 形式 | 特徴・メリット | 欠点(頻出) |
|---|---|---|
| 階段室型 | 採光・通風が良い。プライバシーを確保しやすい。主に低層・中層向き。エレベーター増設で高層にも対応。 | 2方向避難を確保しにくい |
| 片廊下型 | 2方向避難を確保しやすい(コアが大抵2箇所)。主に中層・高層向き。 | 廊下側のプライバシーを確保しにくい |
| 中廊下型 | 片廊下型より経済性が向上。廊下を南北に取ることで両側居室の日照条件を均等にできる。 | 採光・通風が不利。プライバシーを確保しにくい。 |
| ツインコリドール型 | 中廊下の中央に吹き抜けを設けることで採光・通風の欠点を改善。 | プライバシーを確保しにくい(共用通路面積が大) |
| スキップフロア型 | 2〜3層おきに廊下を設置。廊下のない階に居室を設けることで採光・通風良好。プライバシーも確保しやすい。 | 避難計画に難点あり |
| ホール型(集中型・ボイド型) | コアを中央に集約し各住戸へのアクセス動線が短い。スターハウス・ポイントハウスとも呼ばれ景観に変化を与える。 | 方位により採光・通風に不利な住戸ができる。避難計画に難点あり。 |
| メゾネット形式 | 2層を同一住戸で使用。共用廊下のない階が生まれ住戸専用率を高くできる。 | — |
・コモンアクセス形式:共用庭(コモン)側からアクセス。開放的でコミュニティを形成しやすい。
・路地(ロジ)アクセス形式:メインの通路から路地を通ってアクセス。静かな共用空間とプライバシーを確保しやすい。
テラスハウスとタウンハウスの違い【混同注意】
| 形式 | 敷地 | 庭 |
|---|---|---|
| テラスハウス | 各住戸に専用敷地あり | 専用庭 |
| タウンハウス | 接地性は確保しつつコモン(共用庭)を共有 | 共用庭(コモン) |
3. コーポラティブ vs コレクティブ【最重要混同ポイント】
この2つは名前が非常に似ており、試験でも頻繁に逆の説明で出題されます。どちらか1つを確実に覚えることが攻略の鉄則です。
| 名称 | 定義・キーワード | 実例 |
|---|---|---|
| コーポラティブハウス | 自ら居住する住宅を建設しようとする者が組合を結成し、共同して事業計画の策定から設計・工事発注・管理運営までを行う集合住宅。「コーポレーション(団体・企業)」が語源。 | ユーコート、Mポート、鞍馬口・東京 |
| コレクティブハウス | 各住戸の独立性を保ちながら、子育て・家事などを共同で担い合う相互扶助的なサービスと住宅等を組み合わせた集合住宅。「コレクション(集合的)」が語源。阪神淡路大震災後のケア付き仮設住宅の経験から発展。 | インナートリプラザ上山町、掘り合い住宅、カンカ森 |
その他の重要住宅用語
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| スケルトンインフィル(SI) | 第1段階:スケルトン(構造体・共用設備)を供給。第2段階:インフィル(内装・専用設備)を供給。代表例はネクスト21。 |
| 可変型プラン | 居住者のライフスタイル変化に対応できるよう、住戸内部の間仕切り等を変更可能にした計画。住戸の境界変更はできない。 |
| シェアードハウス | 複数居住者用の個室あり。リビング・キッチン・シャワー・トイレは共用空間。基本的に賃貸の集合住宅。 |
| デュアルリビング | 性質の異なる2つのリビングを設けたもの。集合住宅の住棟形式を表す言葉ではないことに注意。 |
| リビングアクセス型 | 廊下側に居間や食事室を設けて居住者同士の交流を図る片廊下型の発展形。 |
4. 住宅・集合住宅の重要数値【数値は丸ごと暗記】
数値は試験で直接問われるため、確実に覚えてください。
人口密度の目安
| 住宅地の種別 | 人口密度(1ha当たり) | 1人当たりの面積 |
|---|---|---|
| 高層高密の集合住宅地 | 800〜1,200人(約1,000人) | 約10m²(約6畳) |
| 中層住宅地 | 300〜500人 | — |
隣棟間隔(日照確保)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 隣棟間隔の目安(南面平行配置) | 20m以上として計画されることが多い |
| 隣棟間隔比の望ましい最低値 | 建物の高さに対し1:1/2以上(比率は常に1より大) |
| 東京の隣棟間隔比 | 約2.2 |
| 北海道の隣棟間隔比 | 約2.7 |
分譲集合住宅の特別決議(区分所有建物)
| 議案の内容 | 必要な賛成割合 |
|---|---|
| 共用部分の変更で形状・効用の著しい変更を伴わないもの | 区分所有者および議決権の各1/2超(過半数) |
| 共用部分の変更で形状・効用の著しい変更を伴うもの(増改築) | 区分所有者および議決権の各3/4以上 |
| 建替え | 区分所有者および議決権の各4/5以上 |
長期修繕計画・大規模修繕の数値
長期修繕計画の計画期間:30年
大規模修繕工事の周期:12年(30年の計画期間中に2回含まれる内容で計画する)
5. 住宅性能表示制度・長期優良住宅・住宅セーフティネット制度
住宅性能表示制度
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく制度で、第三者機関(登録住宅性能評価機関)が客観的に評価し、住宅性能評価書を交付します。新築住宅だけでなく既存住宅も対象です。
| 評価項目 | 等級の範囲 |
|---|---|
| 構造の安定(耐震等級) | 1〜3(大きいほど良い) |
| 火災時の安全(耐火等級) | 1〜4 |
| 劣化対策等級 | 1〜3 |
| 断熱等性能等級 | 1〜7 |
| ホルムアルデヒド発散等級 | 1〜3 |
| 高齢者等配慮対策等級 | 1〜5 |
長期優良住宅
長期にわたり良好な状態で使用されることを目的とした認定制度です。建築行為(建築・増改築)時だけでなく、令和4年10月からは建築行為なし認定として既存住宅も認定対象となりました。
・劣化対策等級:3
・耐震等級:2以上(または同等の免震建築物等)
・断熱等性能等級:4以上
・天井高(可変性確保):2,650mm以上
認定後は維持保全の実施と記録の作成・保存が必要です。
住宅セーフティネット制度
2017年10月からスタート。民間賃貸住宅の空き家などを活用し、住宅確保要配慮者(低所得者・被災者・高齢者・障害者・子育て世帯など)の住宅として登録できる制度です。
収納計画・最低居住面積水準の数値
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 集合住宅の収納面積の目安 | 住戸専用面積の約10% |
| 最低居住面積基準(単身者) | 原則として住戸専用面積25m² |
| 空き家の数(令和5年住宅・土地統計調査) | 約900万戸 |
6. 著名集合住宅の実例【過去問頻出建物を整理】
実例建物の名称・特徴・キーワードは過去問で繰り返し問われます。以下の表を何度も見返して覚えてください。
| 建物名 | 所在・竣工 | 形式・キーワード |
|---|---|---|
| 野蚕団地 | 東京湾岸、1984年 | リビングアクセス型・高層集合住宅。共用廊下側にリビングダイニングを配置。 |
| ユーコート | 1985年竣工 | コーポラティブハウス。コモンアクセス形式。住棟配置が有の字(U字型)。 |
| Mポート | 1992年竣工 | コーポラティブハウス。教会式敷地を最大限に有効利用。 |
| 掘り合い住宅(神戸) | 阪神淡路大震災後の復興 | コレクティブハウス。共同食堂・台所あり。住棟前のバルコニーを通り抜け空間に。 |
| カンカ森 | 日本初のコレクティブハウス | コレクティブハウス(2〜3階部分のみ)。全体は高層住宅。 |
| ネクスト21(大阪) | 大阪ガス実験集合住宅 | スケルトンインフィル。二重床・二重天井。スケルトンを壊さずインフィルを更新可能。 |
| しののめキャナルコート | 東京都 | 中廊下型・高層高密度。ホワイエルーム・Fルームあり。廊下を南北軸に配置。 |
| エルザタワー55 | 埼玉県 | ボイド型・高層。吹き抜けの周囲にテラス・子どもの遊び場・スタジオ等の共用空間。 |
| 六甲の集合住宅(安藤忠雄) | 1983年竣工 | 斜面地に建てられたメゾネット型。RC造。安藤忠雄設計。 |
| 晴海高層アパート | 日本初の公団高層住宅 | スキップアクセス形式。3・6・9階がエレベーター停止階。1997年に建替え。 |
| タウンハウス洛西(京都) | 1979年竣工 | コモン形式・接地型。コモングリーン(共用庭)からアクセス。 |
| 幕張ベイタウン | 千葉県 | 統一デザイン。壁面線の指定。基壇・中間・頂部の三層構成。 |
| 同潤会江戸川アパート | 1934年竣工 | 初期のRC近代アパート。ダストシュート・エレベーター・集中暖房・共同浴場など当時画期的。 |
| 熊本県営竜蛇平(じゃびら)団地 | 熊本県 | 不利な敷地条件の活用。雛壇+ボックス型。 |
| ベルコリーヌ南大沢 | 東京都 | マスターアーキテクト方式(デザインコントロール手法)によるヨーロッパ風の町並み。 |
| 千里ニュータウン | 大阪府 | 日本で最初の大規模ニュータウン。近隣住区論を採用。クルドサック。 |
コーポラティブ → ユーコート・Mポート・鞍馬口
コレクティブ → 掘り合い住宅・カンカ森・インナートリプラザ上山町
スケルトンインフィル → ネクスト21
スキップアクセス → 晴海高層アパート
○×チェック問題 全12問
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