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【Vol.053】【1級建築士・施工】左官工事を完全攻略|モルタル調合・数値・施工精度まとめ

建築士試験サポ塾 / 施工 第17回

【Vol.053】【1級建築士・施工】左官工事を完全攻略|モルタル調合・数値・施工精度まとめ

2026年6月14日

1級建築士試験「施工」第17回は左官工事を徹底解説。モルタルの調合比率・養生期間・施工精度など、試験で頻出の数値をひとまとめ。セルフレベリング材や外壁補修の注意点も網羅し、○×問題で定着度を確認できます。

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1. 左官工事材料の分類

左官工事の材料は 結合剤・骨材・補助材料 で構成されます。結合剤は以下の2種類に大別されます。

種別 仕組み 代表例 特徴
気硬性材料 空気中のCO₂と結合して硬化 消石灰・ドロマイトプラスター 強度・耐水性に劣る。現在はあまり使用されない
水硬性材料 水と混ぜて水和反応で硬化 セメント・石膏プラスター 強度・耐水性に優れる。硬化中は通風を避ける
出題ポイント:左官工事は数値の部分が×(バツ)問題として頻出!調合比率・養生日数・厚さの数値を重点的に暗記しましょう。

2. モルタルの調合比率

モルタルは セメント+砂+水 で構成され、下塗り・中塗り・上塗りの各工程で調合比率(セメント対砂)が異なります。

2-1. 工程別の基本調合(容積比)

工程 セメント対砂 調合の呼び方 特徴
下塗り 1:2.5 富調合 セメント比率大・強度高い・ひび割れしやすい
中塗り・標準 1:3 基準調合 バランス良い標準仕様
上塗り 1:3以上(貧調合) 貧調合 砂比率大・ひび割れ少ない
覚え方:「下塗りほど富調合(強く)、上塗りほど貧調合(ひび割れ少なく)」。セメントが多い=強い=ひび割れしやすい。砂が多い=柔らかい=ひび割れしにくい。

2-2. 石工事・タイル工事の調合比較

用途 セメント対砂(容積比)
石工事(積み・乾式)モルタル 1:4
外壁湿式工法の裏込めモルタル 1:3
外壁タイル張り付けモルタル 1:2〜3
注意:「1回の練り混ぜ量は通常 2時間以内、夏季は 1時間以内 に使い切る量とする」。タイル密着張りの場合はさらに短く 30分以内

3. セメントモルタル塗りの施工工程

工程順序:下地調整(付け送り・給水調整剤)→ 下塗り → (村直し)→ 中塗り → 上塗り

3-1. 養生期間のまとめ

工程・材料 養生期間
付け送り(モルタル)→ 下塗り 14日以上(2週間以上)
給水調整剤(シーラー)→ 下塗り 1時間以上
下塗り → 中塗り 14日以上(ひび割れを十分に発生させてから)
村直し(薄塗り)→ 次工程 1日以上
モルタル全工程後の養生 14日以上
コンクリート養生(参考) 28日以上
語呂合わせ:「モルタル=14日、コンクリート=28日」。モルタルは2週間、コンクリートは4週間と覚えると忘れない。

3-2. 給水調整剤(シーラー)の注意点

  • コンクリート下地に使用する給水調整剤は耐アルカリ性があり、耐水性の良い合成樹脂エマルションとし、重金属剤などを含まないものとする
  • 塗り重ねは2回まで(塗りすぎると境界面の膜が厚くなりモルタルの付着力が低下する)
  • コンクリート下地への下塗り前に十分な散水で下地に水分を吸収させる

3-3. 付け送りの数値

項目 数値
1回の塗り厚(標準) 6mm
1回の塗り厚(最大) 9mm
付け送り最大累計厚さ 25mm
25mm超の場合 溶接金網・アンカーピン・ネット等を取り付ける
頻出数値:「付け送りの1回の塗り厚は 6mm〜9mm、最大累計は 25mm」は必ず覚える!

4. 下地別の施工ポイント

4-1. ラス系下地

  • ラスシートを鉄骨下地に取り付ける場合は原則としてビス締め
  • ビスの取り付けピッチは 100mm以内
  • 溶接は不可(溶接するとがっちり固定されて構造体の地震時変形に追従できなくなるため)

4-2. プレキャストコンクリート下地

  • ジョイント部には動きが大きく、ひび割れ止めが有効に働かないため、目地・見切りとなる木材で逆塗りは行わない
  • ジョイント部はコーキング処理が基本

4-3. ALCパネル下地

  • ALCは気孔が多く、強度・剛性ともに小さい → 厚塗りとしない
  • 接着力の強い水硬剤を混入するようなセメント分の多い富調合モルタルは使わない
  • 砂の比率を多くした貧調合モルタルを使用する

5. 施工精度・平坦性の規定

3mにつき〇〇mm以下」の規定が基本。仕上げ厚・種別によって数値が変わる。

仕上げの種別 精度種別 基準値
コンクリート直均し(仕上げなし) E種 3mにつき 7mm以下
ビニル床シート・薄物仕上げ(7mm未満) A種 3mにつき 5mm以下
床仕上げ一般(モルタル等) B・C種 3mにつき 10mm以下 / 30mm以下
タイルのセメントモルタル貼り下地(壁面) 2mにつき 4mm以内
ビニル床シート下地(1mにつきの規定) 1mにつき 3mm以下
注意:ほぼすべて「3mにつき」の規定だが、ビニル床シート下地には「1mにつき3mm以下」という異なる基準もある。混同しないよう注意。

6. セルフレベリング材

  • 重力で自然に水平になるトロトロの液体材料
  • 流し込み作業中〜硬化するまではできるだけ通風を避ける
  • 石膏系:収縮がなく施工性良好だが、水の影響を受けやすい → 水がかりとなる床には不可
  • セメント系:耐水性良好 → 水がかりとなる床に使用
  • 施工前に下地処理として給水調整剤(シーラー)を1〜2回塗布し、十分に乾燥させてから流し込む

7. 外壁改修・セメントの保管

  • 外壁仕上げにクラック・浮きがある場合は、ダイヤモンドカッターなどで周囲を切断し、ひび割れ部と健全部を絶縁してから補修する
  • セメントの保管:床から30cm以上高くした倉庫に保管し、袋の積み重ねは10袋以下

✅ 実力チェック|○×問題

各問題が正しければ○、誤りであれば×で答えてください。

Q1. セメントモルタル塗りの下塗りと中塗りの調合(容積比)において、下塗りはセメント1:砂2.5、中塗りはセメント1:砂3とした。
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→ 下塗りは富調合(1:2.5)、中塗り・標準は1:3が基本。下塗りほどセメント比率が高く(富調合)、上塗りに向かうほど砂が多い貧調合となる。

Q2. 夏季のモルタルの1回の練り混ぜ量は、2時間以内に使い切る量とした。
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→ 通常は2時間以内だが、夏季(気温が高い場合)は 1時間以内 に使い切る量とする。2時間は通常時の規定。

Q3. 付け送りの1回の塗り厚の標準は6mm、最大でも9mmとする。
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→ 正しい。付け送りの1回の塗り厚は標準6mm、最大9mm。累計最大は25mmまで。頻出の数値なので確実に覚えること。

Q4. 付け送りの累計の塗り厚が25mmを超える場合でも、モルタルのみで塗り付けて問題ない。
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→ 25mmを超える場合は溶接金網・アンカーピン・ネット等を取り付けた上で施工する必要がある。何も補強せずにモルタルのみで塗れるのは25mmまで。

Q5. ラスシートを鉄骨下地に取り付ける場合は、原則として溶接で固定し、溶接ピッチは100mm以内とする。
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→ 原則はビス締め(溶接ではない)。溶接だと地震時の構造体の変形に追従できなくなるためNG。ビスのピッチは100mm以内が正しい。

Q6. 給水調整剤(シーラー)は塗りすぎると付着力が低下するため、塗り重ねは2回までとする。
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→ 正しい。塗りすぎると下地モルタルとの境界面の膜が厚くなり、塗り付けたモルタルがずれやすくなったり付着力が低下する。塗り重ねは2回が上限。

Q7. ALCパネル下地へのセメントモルタル塗りでは、接着力向上のためセメント分の多い富調合モルタルを使用する。
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→ ALCは強度・剛性ともに小さいため、富調合モルタルは用いない。砂の比率を多くした貧調合モルタルを使用する。富調合だとモルタルがALCのかけらごと剥落するリスクがある。

Q8. ビニル床シートの下地となる床コンクリートの仕上がり平坦精度は、3mにつき3mm以下とした。
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→ ビニル床シート(薄物仕上げ7mm未満)の場合は3mにつき5mm以下(A種)。3mm以下ではない。なお「1mにつき3mm以下」という別の規定と混同しないよう注意。

Q9. 石膏系セルフレベリング剤は収縮がなく施工性が良いが、水の影響を受けやすいため水がかりとなる床には使用しない。
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→ 正しい。石膏系は収縮なし・施工性良好だが耐水性が低い。水がかり床にはセメント系のセルフレベリング剤を採用する。

Q10. コンクリート外壁へのモルタル塗りで、下塗りに使うポリマーセメントモルタルの1回の塗り厚を10〜15mmとした。
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→ ポリマーセメントモルタルは薄塗り用材料。1回の塗り厚の標準は 6mm、最大9mm(10mmを超えてはいけない)。10〜15mmは厚すぎる。

Q11. セメントの保管は、床から30cm以上高くした倉庫で行い、袋の積み重ねは15袋以下とする。
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→ 床から30cm以上高くした倉庫での保管は正しいが、袋の積み重ねは 10袋以下(15袋ではない)。

Q12. 外壁仕上げのクラック・浮きを補修する際は、ダイヤモンドカッターで周囲を切断してひび割れ部と健全部を絶縁してから補修する。
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→ 正しい。外壁改修では、クラックや浮き部分の周囲をダイヤモンドカッター等で切断し、健全部と絶縁してから補修する。試験でそのまま出る文言なので覚えておく。

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