1級建築士試験の施工科目において、「土工事」は比較的ページ数が少なく、確実に得点源にすべき単元です。しかし、受験生の多くが「砂質土」と「粘性土」の違いや、それぞれの工法の特徴を曖昧にしたまま暗記に頼り、本試験の巧妙なひっかけ問題で失点しています。
今回は、過去問の解き方が分からない、理解ベースで得点力を上げたい受験生に向けて、土工事の中でも特によく狙われる「排水工法」と「床付け・埋め戻し」の確実な判断基準をお伝えします。
排水工法の使い分け:地盤の性質とキーワードを紐づける
土工事において、地下水への対策は必須です。試験では「どの地盤に」「どの工法が適しているか」、そして「どんな手順で行うか」が問われます。以下のポイントを明確に区別してください。
1. 釜場(かまば)工法
掘削底面に穴(釜場)を掘り、水中ポンプで排水する最も簡易的な工法です。
2. ウェルポイント工法
パイプを1〜2m間隔で地中に打ち込み、真空ポンプで地下水を吸い上げる工法です。透水性のある砂質地盤に適しています。
3. ディープウェル工法とリチャージ工法
ディープウェル工法は「深い井戸」を掘り、揚水量の多い水中ポンプで排水します。透水性の良い地盤に適しています。
また、この工法は地下水位を大きく下げるため、周囲の地盤沈下を防ぐ目的で、汲み上げた水を地中に戻すリチャージ工法を併用することがあります。
4. サンドドレーン工法
ここまでの工法は主に砂質土向けですが、サンドドレーン工法は「軟弱な粘性土地盤」に適した排水工法です。地中に砂杭をつくり、粘土中の水分をその砂杭に集めて強制的に排水・圧密させます。
床付け面と埋め戻しの絶対基準
土工事では、掘った後の処理も重要です。
■ 粘性土の床付け面を乱してしまったら?
掘削中に粘性土の底面(床付け面)をガタガタに乱してしまった場合、そのままローラーで転圧しても元には戻りません。試験では「直ちにローラーで転圧した」と出たら誤りです。正しくは、砂や礫に置換するか、セメント等を混ぜて地盤改良を行います。
■ 埋め戻しの「巻出し厚さ」は一律30cm
基礎工事が終わった後の隙間を土で埋め戻す際、一気に土を入れると後で地盤沈下を起こします。そのため、一定の厚さごとに締め固めを行います。この厚さを「巻出し厚さ」と呼びますが、砂質土でも粘性土でも「30cmごと」です。「50cmごとに締め固めた」は誤りです。数字は絶対に30cmと暗記してください。
理解度チェックまとめ
ここまで学んだ知識を整理しましょう。以下の問いに即答できなければ、失点のリスクがあります。
- 釜場工法の設置位置は? → 最も深い場所
- ウェルポイント工法のパイプにスリットはOK? → NG(真空にできないため)
- ディープウェル工法の管の切断位置は? → スラブ下
- 粘性土の床付け面を乱した時の処置は? → 転圧は不可。砂礫への置換や地盤改良を行う
- 埋め戻しの巻出し厚さは? → 30cmごと
文字面だけを追って丸暗記するから、本試験の少しの言い回しの変化で間違えてしまいます。「なぜその位置なのか」「なぜその処理がダメなのか」という理由(理屈)とセットで判断基準を持つことが、時間短縮と確実な得点につながります。
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この記事で、土工事における「排水工法」と「床付け・埋め戻し」の得点ポイントは確実に理解できたはずです。
しかし、土工事の試験範囲はこれだけではありません。
実際の試験では、「掘削深さと勾配角度の関係(砂と硬質地盤の違い)」や「掘削に伴う容積増加率」といった具体的な数値問題も頻出します。さらに、本試験ではこの土工事が、直前に行う「地盤調査(標準貫入試験や平板載荷試験)」の知識と複合して出題されます。
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