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【Vol.057】【1級建築士・施工】外装工事を完全攻略|カーテンウォール・ALC・ECP・屋根工事の要点まとめ

建築士試験サポ塾 / 施工 第21回

【Vol.057】【1級建築士・施工】外装工事を完全攻略|カーテンウォール・ALC・ECP・屋根工事の要点まとめ

1級建築士試験「施工」の外装工事は、カーテンウォール・ALCパネル・ECPパネル・屋根工事・アルミ製品まで幅広く出題されます。本記事では各取り付け方式の特徴と試験で狙われる数値・キーワードを一気に整理します。試験直前の確認にも最適です。

この記事は以下のライブ授業をもとに作成しています

▶ YouTube ライブ授業を視聴する(施工 第21回 外装工事)

① カーテンウォールとは

カーテンウォールとは非構造の壁のことです。建物の自重・荷重は柱・梁・床スラブで支え、外壁はその負担から切り離して考えます。地震の揺れを「抵抗する」のではなく「吸収する」ことで建物の損傷を防ぐ重層構造を採用できます。

構成材の分類

分類 内容
表面材 ガラス・アルミ・金属・石・サイディングなど外観を形成する素材
機能材 構造部・ファスナー・気密材・シーリング材・断熱材・耐火材
POINT:カーテンウォールの種類は「メタルカーテンウォール」と「プレキャストコンクリートカーテンウォール(PC-CW)」の2種類に大別されます。

② 取り付け方式の分類

パネル方式(層間方式)

縦横連続窓を作ることができる方式。層間にわたる大型部材を上下階の梁またはスラブ間に掛け渡します。地震時には上部または下部のファスナーをスライドさせることで層間変位に追従します。

スパンドレル方式

横連続窓を作る場合に採用。腰壁部分と下がり壁部分をパネルで構成し、同一階の梁またはスラブに取り付けます。パネルを回転(ロッキング)させることができないため、層間変位への追従性を必要としない場合に使用。ガラスのサッシ中間部で変位を吸収します。

試験注意:「スパンドレル方式を採用してカーテンウォールを層間変位に追従させた」→ ×。スパンドレル方式は追従性を必要としない場合に使用します。追従させるにはロッキング方式またはスライド方式が必要です。

方立て方式(マリオン方式)

縦連続窓を作る場合に使用。細長い縦材(マリオン)を上下階の梁またはスラブ間に掛け渡し、縦と縦の間に大ガラス等をはめ込みます。地震時の層間変位への追従はロッキング方式で行います。

試験注意:「マリオン方式のメタルカーテンウォールは、ファスナーをスライドさせて地震時の層間変位に追従できる」→ ×(計画科目の過去問)。マリオン方式はロッキング方式が正解です。

柱張り方式

柱を覆う部材と梁を覆う部材とをパネルで分けて構成する方式。建物の外観テクスチャが変わります。

③ 取り付け工法の違い(ロッキング vs スライド)

項目 ロッキング工法 スライド工法(スウェイ方式)
追従方法 パネルを回転させて追従 水平方向にスライドして追従(ルーズホール使用)
固定点数 上下 2点ずつ固定 上下 4点で固定
シーリング接着 2面接着(ワーキングジョイント) 3面接着(ノーワーキングジョイント)
金物 稲妻プレート 旗プレート・スライド旗プレート
追従性能 他方式より高い 水平方向のみ追従
ルーズホールのポイント:スライド工法では変位吸収のためのルーズホール(長円形の穴)を使用します。
・ルーズホール自体はボルト締め要請でしっかり固定する
・スライドホール部(変位吸収部分)は稼働できるよう手締め程度+油止めとする

固定方式

層間変位への追従性を必要としない場合(スパンドレル方式など)に使用する方式です。

④ 仮止め・施工上のポイント

項目 数値・内容
仮止め(パネル材) 3箇所以上
仮止め(片材・方立て等) 2箇所以上
本止め後の仮止めボルト 性能上支障のある仮止めボルトは速やかに撤去
PCカーテンウォールの最小かぶり厚さ 有効な仕上げあり:2cm / なし:3cm
取り付け作業方向 室内側からも行えるように計画

寸法許容差

種別 鉛直方向 水平方向 目地の幅
カーテンウォール全般 ±10mm ±25mm —
メタルカーテンウォール(目地幅) — — ±3mm
プレキャストコンクリートCW(目地幅) — — ±5mm
GRC(辺長の寸法差) ±3mm ±3mm —
覚え方:水平方向(±25mm)は鉛直方向(±10mm)より大きい。メタルの方がプレキャストより目地幅の精度が厳しい(±3mm vs ±5mm)。

⑤ ジョイント方式(オープン vs フィールド)

オープンジョイント方式

カーテンウォール工事の代表的な排水機構。ジョイント部を開放し、内部に等圧空気層を設けることで雨水の侵入を防ぎます。

3要素:水切り(レインバリア)・空気層(等圧層)・気密層(ウィンドバリア)

試験ポイント:「等圧空気層の容量は空気取り入れ口に比べて大きくならないようにする」→ 等圧に近づけるため、空気取り入れ口を大きくする(等圧空気層の容量を取り入れ口より大きくしない)のが正しい考え方です。

フィールドジョイント方式(ダブルシール方式)

プレキャストコンクリートの外部側にシーリング、内部側にガスケットを設けることで雨水の侵入を2段階で防止する水密工法です。

⑥ 耐火・層間塞ぎ

部位 耐火時間
炎症のおそれのある部分 1時間
それ以外の部分 30分

スラブとカーテンウォールパネルの隙間から煙が上階に侵入しないよう、厚さ1.6mm以上の鋼板の上にロックウール、または50mm以上のモルタル・コンクリートで層間を塞ぎます(層間塞ぎ)。

水密試験:毎分4L/m²の水を噴射し続け、脈動圧を10分間加えて確認します。

⑦ ALCパネル工事

ALCパネルの基本

ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)は高温高圧蒸気養生(オートクレーブ養生)で製造したプレキャスト軽量気泡コンクリート版です。

項目 内容
寸法 幅600mm、長さ1.8m〜6m、厚さ35〜200mm(一般的に約100mm)
圧縮強度 3N/mm²以上(軽量・断熱性高・圧縮強度は低い)
使用禁止箇所 集中荷重・衝撃を受ける箇所、構造耐力上の部分、土・水が接する部分
屋外・吸水箇所 必ず防水・防質処理が必要(塗装・タイル貼り等)

保管・積み上げ高さの比較

種別 最大積み上げ高さ 備考
ALCパネル 2m以下(1段1m以下) 3種類の中で最も軽量
ECPパネル 1m以下 枕木2本・平坦乾燥場所
PC版 6段以下 3種類の中で最も重量

ALCパネル縦壁の取り付け工法

工法 固定方法 目地シーリング
ロッキング工法 上下各中央1箇所ボルト固定、自重は下部中央の受けプレートで支持 2面接着
スライド工法 長辺方向上場をスライド旗プレートで接合、4点固定 3面接着
横張りボルト止め工法 長辺両端フックボルト等で上端アングル下地座に取り付け。3〜5段ごとに自重受けで支持 —

ALC施工の重要数値

項目 数値
充填モルタルの調合(セメント:砂) 1:3.5(砂多めでひび割れ防止)
パネルへの溝切り(1枚あたり) 1本、幅30mm以下、深さ1/3以下
コア抜き(1枚あたり) 1箇所、外壁・間仕切りはパネル幅の1/6以下、屋根は50mm以下
パラペット跳ね出し パネル厚さの6倍(6D)以下
外壁パネル短辺相互の目地幅 20mmの伸縮目地
横目地の目地幅 10〜20mmの伸縮目地
床・屋根パネルのかかり代 主要支点距離の1/75以上かつ40mm以上
立て込み時の目違い 6mm以内
長辺目地補強メジ鉄の長さ 1m
試験注意:ALCパネル下地へのモルタル塗りでは、補水剤を塗布した富調合モルタルを使用してはなりません。ALCの方が弱いため、モルタルが強くなりすぎると剥離の際にALC面ごとえぐれてしまいます。

⑧ 押し出し成形セメント板(ECP)工事

項目 内容
寸法 幅400〜1200mm、長さ最大5m、厚さ50〜100mm(主流60mm)
内部 中空構造(遮音性がALCより高い)
断熱性 ALCより低い(ALCは微細気泡で断熱性高)
デザイン性 ECPの方が豊富(表面ツルツル・着色品あり)
タイル後貼り施工性 ALCよりECPの方が良い
保管積み上げ高さ 1m以下(枕木2本、平坦・乾燥場所)
横張り・自重受け間隔 3枚以下ごとに自重受け
目地幅(特記なし時) 長辺8mm以上、短辺15mm以上

⑨ 屋根工事

銅板葺き

止め付け用のビスは銅・銅合金またはステンレス製を使用します。異種金属(亜鉛メッキ等)を組み合わせると電蝕(ガルバニック腐食)が促進されます。

折板葺き(タイトフレーム)

項目 内容
タイトフレーム固定方法 鉄骨の場合はアーク溶接(両側全周・立ち上がり内側回し肉盛り溶接)
ドリルビスの穴径 ボルト径より0.5mm以上大きくしてはならない
ケラバ包みの間隔 1.2m以下でタイトフレーム下地に取り付け
端部ケラバ ケラバ包みによる方法が原則
試験注意:「ケラバ押さえを1.8mの間隔でタイトフレームへ取り付けた」→ ×。正しくは1.2m以下です。

⑩ アルミ製品(手すり・笠木)

項目 内容
伸縮調整継手の間隔 5〜10m間隔(温度差40℃で1mあたり約1mm伸縮)
アルミ合金の膨張係数 鋼の約2倍 → 調整継手の間隔をより短く
手すりのモルタル埋込み部 コンクリート・モルタル中に入る部分も錆止め処理を行う
笠木の取り付け順序 コーナー・役物部分を先に取り付け、直線部分は後で調整
笠木のジョイント部 オープンジョイント(クリアランス6mm程度)
固定金具の取り付け間隔 1.3m程度
試験注意:「アルミ笠木の割付けを検討した上で直線部分を先に取り付け、コーナー部分を最後に取り付けた」→ ×。コーナー・役物部分が先、直線部分を調整しながら後で取り付けます。

⑪ 重要数値まとめ

項目 数値
CW仮止め(パネル材) 3箇所以上
CW仮止め(片材) 2箇所以上
PCカーテンウォール最小かぶり厚(有効仕上げあり) 2cm
PCカーテンウォール最小かぶり厚(仕上げなし) 3cm
CW水密試験 毎分4L/m²・10分間
ALCパネル積み高さ 2m以下(1段1m以下)
ALC充填モルタル調合 セメント:砂 = 1:3.5
ALCパラペット跳ね出し パネル厚さの6倍(6D)以下
ALC外壁短辺目地幅 20mm
ALC立て込み目違い 6mm以内
ALC床・屋根かかり代 支点距離の1/75以上かつ40mm以上
ECPパネル積み高さ 1m以下
ECP目地幅(長辺) 8mm以上
ECP目地幅(短辺) 15mm以上
折板ケラバ押さえ間隔 1.2m以下
アルミ手すり伸縮調整継手間隔 5〜10m
アルミ笠木固定金具間隔 1.3m程度
アルミ笠木ジョイントクリアランス 6mm程度


✓ 実力チェック|○×問題

各問題が正しければ○、誤りであれば×で答えてください。

【問1】カーテンウォールは非構造壁であり、建物の自重・地震力を直接負担しない。
▶ 答えを見る
○

→ カーテンウォールは非体力壁(非耐力壁)とも呼ばれ、建物の荷重は柱・梁・スラブで支えます。地震時は揺れを吸収する設計です。

【問2】マリオン方式のメタルカーテンウォールは、上部または下部のファスナーをスライドさせることにより地震時の層間変位に追従することができる。
▶ 答えを見る
✕

→ マリオン方式の層間変位への追従はロッキング方式で行います。スライド方式ではありません(計画科目の過去問)。

【問3】スパンドレルパネル方式のカーテンウォールは、地震時の層間変位に追従させるために採用した。
▶ 答えを見る
✕

→ スパンドレル方式はパネルを回転させることができないため、層間変位への追従性を必要としない場合に用います。追従させるにはロッキング方式またはスライド方式が必要です。

【問4】ロッキング工法によるカーテンウォールの目地シーリングは3面接着とする。
▶ 答えを見る
✕

→ ロッキング工法はワーキングジョイントのため2面接着です。3面接着はスライド工法(ノーワーキングジョイント)に採用します。

【問5】スライド工法におけるルーズホールのスライドホール部は、強固なボルト締めまたは溶接を行い固定する。
▶ 答えを見る
✕

→ スライドホール部は稼働できるよう手締め程度+油止めとします。強固に固定するのはルーズホール自体(本体)です。

【問6】PCカーテンウォールの最小かぶり厚さは、耐久性上有効な仕上げをしている場合は3cm、していない場合は2cmである。
▶ 答えを見る
✕

→ 逆です。有効な仕上げあり → 2cm、なし → 3cmが正しい数値です。

【問7】ALCパネルは軽量で断熱性が高いが、圧縮強度が低いため集中荷重を受ける箇所には使用できない。
▶ 答えを見る
○

→ ALCパネルの圧縮強度は3N/mm²以上と小さく、集中荷重や衝撃を受ける箇所への使用は禁止されています。

【問8】ALCパネルの保管における積み上げ高さは2m以下(1段1m以下)とし、ECPパネルは1m以下とする。
▶ 答えを見る
○

→ ALCは2m以下(1段1m以下)、ECPは1m以下が正しい数値です。PC版は6段以下。

【問9】ALCパネルへのモルタル塗りでは、パネルの表面強度が低いことを考慮して補水剤を塗布した富調合モルタルを使用した。
▶ 答えを見る
✕

→ 補水剤の塗布・富調合モルタルの使用はどちらもNGです。モルタルが強くなりすぎるとALC面ごとはく落する危険があります。

【問10】外壁に使用するECPパネルの目地幅は、特記がなければ長辺・短辺ともに10mmとした。
▶ 答えを見る
✕

→ 長辺は8mm以上、短辺は15mm以上が必要です。短辺は層間変位に追従させるために大きな目地が必要です。

【問11】折板葺き屋根のケラバ押さえは、1.2m以下の間隔でタイトフレーム下地に取り付ける。
▶ 答えを見る
○

→ ケラバ包みの取り付け間隔は1.2m以下です。内装工事の軽量鉄骨フレーム下地ピッチ(1.2m)と同じ数値として覚えてください。

【問12】アルミ笠木の取り付けにあたっては、割付けを事前に検討した上で直線部分を先に取り付け、コーナー部分を最後に取り付けた。
▶ 答えを見る
✕

→ コーナー(役物部分)を先に取り付け、直線部分は調整しながら後で取り付けます。


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