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【Vol.031】【1級建築士・計画】高齢者・身体障害者等への配慮を完全攻略|車椅子寸法・スロープ・サイン・エレベーターまで徹底解説

【Vol.031】【1級建築士・計画】高齢者・身体障害者等への配慮を完全攻略|車椅子寸法・スロープ・サイン・エレベーターまで徹底解説

建築士試験サポ塾 / 計画 第7回

「高齢者・身体障害者等」は毎年出題される計画の超頻出テーマです。数値が非常に多く、紛らわしい数値の入れ替えで引っかけてくるのが試験の定石。「360°と180°」「120cmと150cm」「50mと25m」など、似た数値を確実に区別できるようにしてください。この記事では試験頻出の数値をシーン別に整理し、バツ問題のポイントまで解説します。

① 車椅子使用者の回転・移動スペース

動作 必要スペース 備考
360°回転(最小内接円) 直径150cm以上(φ150) これが最重要基本値
360°回転(正方形スペース) 170cm×170cm以上 余裕を見た正方形
多目的トイレ内(内のり) 200cm×200cm以上 便器・洗面台などの出っ張りを考慮
片側車輪を中心とした360°回転 210cm×210cm 「片側車輪を中心として」という言い回しに注意
180°方向転換 140cm角以上 360°ではなく方向転換だけなら140cmで可
頻出ひっかけ:「360°回転=170cm角」と「180°方向転換=140cm角」を混同しないこと。また「片側車輪を中心として360°回転」の場合は210cm角が必要です。

② 廊下幅

通行条件 必要幅
車椅子のみの通行 90cm以上
車椅子と人がすれ違う(横向き可) 120cm以上
車椅子と人が正面向きですれ違う(望ましい) 150cm以上
車椅子同士がすれ違う 180cm以上
覚え方:90・120・150・180cmと30cm刻みで増えていきます。試験では「120cm」が「一般的にすれ違える幅」として使われることが多いです。

③ バリアフリートイレの寸法

前方アプローチ便所

項目 数値
有効幅(車椅子90cm+解除スペース50cm) 140cm以上
奥行き(車椅子奥行き120cm+便器奥行き70cm) 190cm以上

回転スペースと内のり

バリアフリートイレ内はφ150cm以上の内接円が確保でき、内のり寸法で200cm×200cm以上の空間が必要です。

2025年6月バリアフリー法改正:特別特定建築物(延床面積2,000㎡以上)では、在来型電動車椅子に対応するため内接円がφ180cm以上に引き上げられました。試験では「特別特定建築物2,000㎡以上の場合はφ180cm」で覚えてください。

出入口スイッチの位置

車椅子使用者が使いやすいよう、引き戸の土先(框)から70cm以上離れた位置(室内側)にスイッチを設けます。「土先のすぐ近く」はNGです。

手すりの高さ

手すりの種別 高さ
水平手すり(床面から) 65〜70cm(FL+700mm程度)
水平手すり(便座座面から) 22〜25cm上
コンセント・スイッチ中心高さ 40〜110cm程度

洗面台の足元スペース

項目 数値
洗面台カウンター下の懐(足入れ高さ) 60〜65cm
奥行き方向のクリアランス 30〜40cm
鏡の下端(洗面カウンターから) 1m程度
鏡の傾き 垂直が望ましい

④ オムツ交換台・高齢者浴槽

設備 寸法
オムツ交換台の高さ 70〜80cm
オムツ交換台の幅 55〜65cm
オムツ交換台の奥行き 75〜90cm
高齢者用浴槽の縁の高さ(洗い場から) 40〜45cm
高齢者用浴槽の深さ 50cm程度
覚え方:オムツ交換台の高さは「机の高さぐらい(70〜80cm)」。浴槽の縁の高さはトイレ便座の高さと同じ「40〜45cm」で、横移動で乗り移れる高さです。

⑤ スロープ

対象 最大勾配
一般(健常者) 1/8以下
高齢者・車椅子使用者(屋内) 1/12以下
高齢者・車椅子使用者(屋外) 1/15以下
手すりが不要になる勾配 1/20以下
項目 数値
踊り場の設置間隔 高さ750mm以内ごと
踊り場の奥行 1,500mm以上
スロープの有効幅(望ましい) 150cm以上
縁の立ち上がり(転落防止) 5cm以上
手すりの高さ(子供・車椅子) 60〜65cm
手すりの高さ(大人) 75〜85cm
手すり端部の水平延長 45cm以上
頻出ひっかけ:「以上」と「以下」を逆にした問題が多発します。「勾配1/12以下(緩くする)」と「傾斜路の高さ750mm以上になったら踊り場が必要」の方向性を確実に理解してください。

⑥ 階段(高齢者・障害者配慮)

項目 数値
踊り場の幅・階段の幅 120cm以上
杖使用者が円滑に通れる幅(望ましい) 140cm以上
点字ブロックの設置位置(段鼻から) 30cm程度手前
手すり端部の水平延長 上端・下端ともに45cm以上
手すりが廊下有効幅に算入できる突き出し量 10cm以内なら算入不要
段鼻と踏面の輝度比(色の明度差) 1.5〜2.5(約2倍)

⑦ サイン計画

色のルール

条件 避けるべき配色 推奨配色
白内障への配慮 黄色と白、赤と緑(クリスマスカラー) 黒地に白、黄色地に青
加齢による黄変化への配慮 黄色(文字に黄色は避ける) 青文字が望ましい

色の差だけでなく、白黒コピーして確認できる明度差(輝度比)が重要です。誘導用点字ブロックが黄色以外の場合、床面との輝度比を1.5〜2.5(平均2倍)確保します。

案内表示板の高さ

立位の目線高さ150cm・車椅子使用者の目線高さ110cmの中間、床面から130cm程度が双方に見やすい高さです。

⑧ エレベーター

項目 一般車椅子対応 在来型電動車椅子対応
かご内幅 140cm以上 160cm以上
かご内奥行き 135cm以上 150cm以上
出入口有効幅 80cm以上 90cm以上
乗降ロビー(証拠ロビー) 150cm角以上 180cm角以上
適正な定員 11人乗り

操作盤・展示表示

操作盤の高さは床面から100〜110cm程度。展示表示(階数等)は、ボタンが縦配列の場合は左側に、横配列の場合は上側に配置するのが望ましいとされています。

⑨ 駐車場・劇場の車椅子用スペース(2025年6月バリアフリー法改正)

施設 基準
駐車場(200台以下) 駐車台数の2%以上
駐車場(200台超) 駐車台数の1%+2台以上
劇場・映画館(400席以下) 2席以上
劇場・映画館(400席超) 総座席数の0.5%以上
車椅子用駐車スペースの幅:一般の2.5mに対し、3.5m(2.5m+1m)が必要です。

⑩ 通路・店舗・ホテルの車椅子対応

場所 通路幅 方向転換スペース
飲食・サービス店舗(主要通路) 90cm以上 25m以内ごとに140cm角
物販店舗(主要通路・両側棚) 120cm以上 25m以内ごとに140cm角
物販店舗(片側棚) 90cm以上
劇場・映画館の客席通路 120cm以上 50m以内ごとに140cm角(180°展開)
ホテルの通路(便所・浴室出入口) 有効幅80cm以上
ホテルの通路(直角路になる場合) 100cm以上
頻出ひっかけ:「50m以内ごと」(劇場)と「25m以内ごと」(店舗)を入れ替えた問題が出ます。劇場は50m、店舗は25mで覚えてください。

✅ 理解チェック|○×問題

各問題が正しければ○、誤りであれば×で答えてください。

車椅子使用者が360°回転できるように、正方形スペースとして140cm×140cmを確保した。
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×

→ 誤り。360°回転には170cm×170cm以上(内接円φ150cm以上)が必要。140cm角は180°方向転換の基準です。
車椅子使用者と歩行者が正面向きですれ違えるよう、廊下の有効幅を150cm以上とした。
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→ 正しい。正面向きですれ違う場合は150cm以上が望ましいとされています。
特別特定建築物(延床面積2,000㎡以上)のバリアフリートイレは、内のり寸法でφ150cmの内接円が入ればよい。
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×

→ 誤り。2025年のバリアフリー法改正で、特別特定建築物2,000㎡以上の場合はφ180cm以上に強化されました。
高齢者・車椅子使用者が利用する屋内スロープの勾配は1/12以下とする。
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→ 正しい。屋内は1/12以下、屋外は1/15以下です。
スロープの踊り場は、傾斜部の高さが1,000mm(1m)を超えるごとに設ける。
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×

→ 誤り。高さ750mm(75cm)を超えるごとに踊り場が必要です。
白内障の人に見やすい案内表示の配色として、赤字と緑の背景の組み合わせが効果的である。
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×

→ 誤り。白内障の人は赤と緑の区別がつきにくいため避けるべき配色です。推奨は「黒地に白」「黄色地に青」などです。
立位の利用者(目線高150cm)と車椅子使用者(目線高110cm)の双方に配慮した案内表示板の中心高さは、床面から130cm程度が望ましい。
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→ 正しい。150cmと110cmの中間が130cmです。
エレベーターの展示表示(階数等)は、ボタンが縦配列の場合はボタンの右側に設けるのが望ましい。
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×

→ 誤り。縦配列の場合は左側に設けます。右利きの人が左から右へ手を動かす自然な動きに対応するためです。
劇場の客席通路において、区間100m以内ごとに車椅子が180°展開できる140cm角のスペースを設けた。
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×

→ 誤り。劇場の場合は区間50m以内ごとに設けることが求められます(100mでは大きすぎます)。
物販店舗の通路において、両側に商品棚がある主要通路の有効幅を120cm以上とし、25m以内ごとに140cm角の方向転換スペースを設けた。
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→ 正しい。物販店舗の両側棚の主要通路は120cm以上、方向転換スペースは25m以内ごとが正解です。
百貨店のオムツ交換台の高さを50cmとした。
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×

→ 誤り。オムツ交換台の高さは70〜80cm(机の高さ程度)が望ましいとされています。50cmでは低すぎます。
ホテルの廊下で便所出入口に至る経路が直角路(直角に曲がる)になる場合、その通路の有効幅を80cm以上とした。
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×

→ 誤り。直角路になる場合は100cm(1m)以上が必要です。80cmは便所の出入口の有効幅の基準です。

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