建築士試験サポ塾 / 施工 第26回 / Vol.062
【Vol.062】【1級建築士・施工】施工総復習①を完全攻略|施工計画から杭工事・型枠工事まで8単元完全整理
2026年6月14日 / 施工 第26回「抜粋総復習①」
この記事でわかること
施工科目の第1〜8単元(施工計画・現場管理・受け契約・届出書類・仮設工事・地盤調査・土工事・山止め工事・杭工事・型枠工事)を一気に総復習できます。数値・人名・提出先など試験頻出ポイントを完全整理。各単元の要点をまとめ、最後には12問の○×チェック問題付き!
① 施工計画・現場管理
施工計画書の基本
- 施工計画書は着手前に受注者が作成し、品質計画を承認できる能力を有する管理者に提出する
- 最初に作成するのは総合施工計画書(工事全体の概要)、その後各種別ごとの施工計画書を提出
- 施工計画書に記載される内容:工程計画・安全・環境・品質・施工要領 など
- 施工計画書は現場ごとの個別のものでなければならない(汎用品は不可)
- 計画書作成に参画させる実務経験年数は3年以上
- 専門工事業者の候補が設計図書に記載されていない場合は、管理者と協議のうえ工事施工者の責任で選定する
足場・仮囲いなど設計図書に指定されていない仮設物については、管理者の承認の対象外。ただし高さや期間によっては労働基準監督署への届出が必要。
再生資源利用計画書の作成・保存義務
| 工事の種別 | 規模要件 |
|---|---|
| コンクリート造・RC造の解体 | 床面積80㎡以上 |
| 建築物の新築・増築 | 床面積500㎡以上 |
| 建設発生土の搬出を伴う工事 | 1,000㎥以上 |
記録の保存期間:工事完了後3年間
設計図書の優先順位
質問回答書 > 現場説明書 > 特記仕様書
※ 受け代金内訳書は設計図書に含まれない
安全衛生管理体制
| 労働者数 | 設置が必要なもの |
|---|---|
| 常時100人以上 | 統括安全衛生管理者(通常)/統括安全衛生責任者(52条) |
| 常時50人以上 | 安全管理者・衛生管理者・産業医 |
| 常時50人未満 | 安全衛生推進者 |
騒音:敷地境界において 85dB を超えてはならない
振動:敷地境界において 75dB を超えてはならない
建設業許可と主任技術者・管理技術者
- 建築一式工事(木造住宅):請負代金 1,500万円以上 かつ 150㎡以上 → 建設業許可必要
- 建築一式工事(木造以外):請負代金 1,500万円以上 → 建設業許可必要
- 下請代金の総額が 5,000万円以上(建築一式は 8,000万円以上)→ 主任技術者に代えて管理技術者を置く
- 一般建設業と特定建設業の境目:下請代金が5,000万・8,000万以上 → 「こ8(コバちゃん)」で覚える
- 管理技術者を専任にしなければならない工事:請負代金 4,500万円以上(建築一式は 9,000万円以上)→「四国(4500・9000)」で覚える
- 管理技術者補佐を置けば、原則 2現場まで 兼務可
つり上げ荷重 1t未満:特別教育 / 1t以上5t未満:技能講習 / 5t以上:免許
② 受け契約
契約書類と設計図書
- 契約書類:契約書・設計図書・受け代金内訳書・施工計画書 など
- 工事の図面に含まれるもの:仕上げ表・一般図・詳細図・構造図・設備設計図・外構図(作図は含まれない)
- 受け代金内訳書は設計図書に含まれない
登場人物と関係
発注者 → 設計者に依頼 → 施工者(受注者)が施工 → 管理者が監理。発注者と管理者の関係は「委託者・受託者」。
設計者と監理者は本来別物(兼務も多い)。
「誰が → 何を → 誰に」を意識して読むと間違い問題を見抜きやすい。
現場代理人
- 現場代理人は一切の権限を行使できるが、請負代金の変更・工期の変更・重要な請求はできない
- 現場代理人は管理技術者・主任技術者と兼務可
- 工事材料の品質は、設計図書に明示されていなければ中等品でもよい
③ 届出書類
労働基準監督署への届出(まず全部覚える!)
| 提出期限 | 届出の種類・条件 |
|---|---|
| 30日前 | 建設物設置届(足場:高さ10m以上かつ設置期間60日以上、型枠支保工:高さ3.5m以上)、ボイラー・ゴンドラ・エレベーター(工事用)・クレーン(つり上げ荷重3t以上)・建設用リフト |
| 14日前 | 建設工事の計画届(高さ31m超の建設・解体、深さ10m以上の掘削、アスベスト除去)、寄宿舎の設置届、特定元方事業開始報告、安全管理者・衛生管理者・産業医の選任報告 |
積載荷重 1t以上:設置届 → 落成検査が必要(検査合格まで使用不可)
積載荷重 0.25t以上1t未満:設置報告書のみ(落成検査は不要)
都道府県知事への届出
- 産業廃棄物・特定粉じん・大気汚染防止法に伴う届出
- アスベスト除去は労働基準監督署と都道府県知事の両方に届出
- 建設リサイクル法の特定建設資材使用構造物の工事(規模要件以上)は、工事着手の7日前に都道府県知事へ届出
特定建設資材(4種):コンクリート/コンクリート及び鉄筋(RC)/木材/アスファルトコンクリート
その他の届出先まとめ
| 届出先 | 主な届出 |
|---|---|
| 特定行政庁 | 仮使用許可申請書、建築工事届(建築士経由) |
| 市町村長 | 特定建設作業実施届(騒音85dB以上、振動75dB以上の作業開始1週間前) |
| 道路管理者 | 道路占用許可(足場の道路はみ出しなど数日間継続する場合)※警察署長にも届出 |
| 警察署長 | 道路使用許可(1日だけ道路を使う場合) |
④ 仮設工事(足場)
幅木の高さ
- 物の落下防止:10cm以上
- 人の墜落防止:15cm以上(15cmにしておけば両方OK)
壁つなぎの間隔(頻出!)
| 足場の種類 | 垂直方向 | 水平方向 |
|---|---|---|
| 単管足場 | 5m以下 | 5.5m以下 |
| 枠組足場 | 9m以下 | 8m以下 |
覚え方:「繋いで9ちゃん55」→ 枠組9m・8m、単管5m・5.5m。垂直→水平の順で覚える!
作業床・手すりの規定
- 作業床の幅:40cm以上(隙間は3cm以下、釣り足場は隙間なし)
- 床材と縦材の隙間:12cm未満
- 高さ2m以上の作業箇所には作業床を設ける
- 手すり高さ:85cm以上(中桟:35cm以上50cm以下)
- はしごの上端は床から60cm以上出す
防護棚(朝顔)
- 突き出し長さ:2m以上
- 水平面となす角度:20度以上(「2・2つながり」で覚える)
- 1段目:高さ4〜5m、2段目以降:10m以下ごと
その他の仮設規定
- 強風時のクレーン作業禁止:10分間平均風速10m/s以上
- テープ巻き尺は引張力50Nで測定、50m巻き以上では同一精度の巻き尺を2本用意
- ベンチマークは2箇所以上設ける
- 6,600V以下の送電線の最小離隔距離:1.2m(安全離隔距離は2m)
⑤ 地盤調査
試験の種類
| 区分 | 主な試験 |
|---|---|
| 現地試験 | 標準貫入試験・サウンディング試験・平板載荷試験・孔内水平載荷試験・CPT |
| 土質試験 | 物理試験・力学試験(一軸圧縮・三軸圧縮・圧密試験) |
| 透水試験 | 現場透水試験・揚水試験 |
標準貫入試験(N値)
- 重さ 63.5±0.5kg の重りを 76±1cm の高さから自由落下させ、サンプラーを30cm貫入させるのに要した打撃回数 = N値
- 深さ1mごとにN値を測定、一般に20m程度まで(60m以上も可能)
- 通常のN値上限:50(50以上は50とする)、杭先端支持力の上限:60
- N値の信頼性:同じNなら粘性土の方が硬い判定になる(粘性土のN値は大きい値になりやすい)
- 内部摩擦角は砂質土の概念、粘着力(c)は粘性土の一軸圧縮強度から求める
力学試験の対象地盤まとめ
| 試験 | 主に対象とする地盤 |
|---|---|
| 一軸圧縮試験 | 粘性土(砂質土は自立しないので試験不可) |
| 三軸圧縮試験 | 砂質土(粘性土も可)、内部摩擦角・粘着力を求める |
| 圧密試験 | 粘性土(時間をかけた沈下を予測) |
| 静的コーン貫入試験(CPT) | 砂質土(液状化判定に優れる、連続データ取得可) |
坪掘り:周囲4点+中央1点 / 布堀り:2〜3mごとに1点 / 総掘り:4mごとに1点(XY各方向)
⑥ 土工事
法面勾配(砂の場合)
- 掘削深さ5m未満:角度規定なし
- 掘削深さ5m以上:35度以下
- 硬い岩盤:75度以下
掘削に伴う土量の増加
- 砂質土:約1〜2割増
- 粘性土:約2〜3割増(空気が入って体積増大)
排水工法
| 工法 | 特徴 |
|---|---|
| 釜場排水 | 掘削底の最も深い場所に水中ポンプを設置 |
| ウェルポイント工法 | 真空ポンプで吸引、砂質地盤に適す、ライザーパイプにスリットなし |
| ディープウェル工法 | 1本あたりの揚水量が大きい、砂礫地盤に適す、周辺地盤沈下に注意 |
| リチャージウェル | ディープウェルで汲み上げた水を地盤に戻す、周辺地盤沈下防止 |
| サンドドレーン | 砂杭を排水路として使う脱水工法、軟弱な粘性土地盤に適す |
⑦ 山止め工事
山止め壁の種類
| 工法 | 特徴・適用 |
|---|---|
| ソイルセメント柱列山止め | 振動・騒音が小さい、遮水性に優れる。侵材として新品使用の場合のみ短期の値OK(通常は長期と短期の平均値) |
| 親杭横矢板 | 硬い地盤に適す、遮水性なし、横矢板設置は速やかに行い裏込め材を充填 |
| シートパイル | 遮水性に優れる、軟弱地盤・地下水位の高い地盤に適す、騒音・振動が発生 |
水平切り張り工法のポイント
- 腹起こしは鉄筋コンクリート製でも可
- 切り張りはできる限り交差部で接合、可能な限りまっすぐに設置
- 切り張りと支柱が重なる場合は切り張り優先、支柱を補強
- 油圧ジャッキは各1本ずつ、掘削平面の中央部に互い違いに配置
- 軸力は1日3回測定
- 地盤アンカーの引き抜き耐力:全数について設計アンカー力の1.1倍以上を確認
山止め工事の不良現象
| 現象 | 地盤・原因 |
|---|---|
| ヒービング | 粘性土で発生、背面の土が回り込んで掘削底面が押し上げられる |
| ボイリング | 砂質土で発生、地下水位が高い時に砂と水が湧き上がる |
| パイピング | 水の道(パイプ状の通路)が形成される現象 |
| 盤ぶくれ | 掘削底面下に被圧地下水があり、水圧で底面が持ち上がる |
⑧ 杭工事・型枠工事
杭工事の分類と主なポイント
| 種類 | 主なポイント |
|---|---|
| 打ち込み工法 | 杭中心間隔:杭径の2.5倍以上かつ75cm以上、ラム落下は2m以下 |
| 埋め込み工法(セメントミルク) | 杭中心間隔:杭径の2倍以上、アースオーガは正回転で掘削・引き上げ、電流計からN値換算は不可 |
| 場所打ちコンクリート杭 | 杭先端は支持層に1m以上根入れ、養生期間:14日程度 |
| アースドリル工法 | 孔壁保護:安定液(ベントナイト溶液)使用、低粘性・低比重に管理してコンクリートに置換 |
| オールケーシング工法 | 孔壁保護:ケーシングが行う(安定液不要)、トレミー管・ケーシング先端は常にコンクリート中に2m以上挿入 |
片面溶接:10D以上、両面溶接:5D以上(「両面5・片面10」で覚える)
主筋と帯筋は溶接不可。補強リングは主筋に2〜3m間隔で断面欠損のないよう溶接。
型枠工事の数値
- 合板型枠(堰板)厚さ:12mm以上(9mmは不可)
- 防水面のコンクリートには丸セパB型を使用、コア処理はモルタル充填
- 配管用スリーブ(開口補強不要・直径200mm以下):紙チューブでよい
支保工の組み立て
- 支柱は3本以上継いではならない
- パイプサポートを継いで用いる場合:4本以上のボルトで固定
- 高さ3.5mを超える場合:高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設ける
- 組み立て工の高さ4mを超える場合:4m以内ごとに2方向
型枠の最小存置期間
| 部位 | 圧縮強度による場合(JASS5) |
|---|---|
| 垂直部分(柱・壁・梁側面) | 5N/mm2以上(普通ポルトランド・計画供用期間短期/標準時) |
| スラブ下 | 設計基準強度の85%以上または12N/mm2以上 |
| 梁下 | 設計基準強度の100%(最も厳しい) |
| 温度条件 | JASS5(日数) | 標準仕様書(日数) |
|---|---|---|
| 20度C以上 | 4日 | 15度C以上:3日 |
| 10度C以上20度C未満 | 6日 | 5度C以上:5日 |
| 0度C以上(標準仕様書) | — | 4日 |
JASS5は「4・6(しろ)」、標準仕様書は「0度C:4日、5度C:5日、15度C:3日」で覚える!
✅ 実力チェック|○×問題
各問題が正しければ○、誤りであれば×で答えてください。
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