建築士試験サポ塾 / 施工 第21回
【Vol.057】【1級建築士・施工】外装工事を完全攻略|カーテンウォール・ALC・ECP・屋根工事の要点まとめ
1級建築士試験「施工」の外装工事は、カーテンウォール・ALCパネル・ECPパネル・屋根工事・アルミ製品まで幅広く出題されます。本記事では各取り付け方式の特徴と試験で狙われる数値・キーワードを一気に整理します。試験直前の確認にも最適です。
この記事は以下のライブ授業をもとに作成しています
① カーテンウォールとは
カーテンウォールとは非構造の壁のことです。建物の自重・荷重は柱・梁・床スラブで支え、外壁はその負担から切り離して考えます。地震の揺れを「抵抗する」のではなく「吸収する」ことで建物の損傷を防ぐ重層構造を採用できます。
構成材の分類
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 表面材 | ガラス・アルミ・金属・石・サイディングなど外観を形成する素材 |
| 機能材 | 構造部・ファスナー・気密材・シーリング材・断熱材・耐火材 |
② 取り付け方式の分類
パネル方式(層間方式)
縦横連続窓を作ることができる方式。層間にわたる大型部材を上下階の梁またはスラブ間に掛け渡します。地震時には上部または下部のファスナーをスライドさせることで層間変位に追従します。
スパンドレル方式
横連続窓を作る場合に採用。腰壁部分と下がり壁部分をパネルで構成し、同一階の梁またはスラブに取り付けます。パネルを回転(ロッキング)させることができないため、層間変位への追従性を必要としない場合に使用。ガラスのサッシ中間部で変位を吸収します。
方立て方式(マリオン方式)
縦連続窓を作る場合に使用。細長い縦材(マリオン)を上下階の梁またはスラブ間に掛け渡し、縦と縦の間に大ガラス等をはめ込みます。地震時の層間変位への追従はロッキング方式で行います。
柱張り方式
柱を覆う部材と梁を覆う部材とをパネルで分けて構成する方式。建物の外観テクスチャが変わります。
③ 取り付け工法の違い(ロッキング vs スライド)
| 項目 | ロッキング工法 | スライド工法(スウェイ方式) |
|---|---|---|
| 追従方法 | パネルを回転させて追従 | 水平方向にスライドして追従(ルーズホール使用) |
| 固定点数 | 上下 2点ずつ固定 | 上下 4点で固定 |
| シーリング接着 | 2面接着(ワーキングジョイント) | 3面接着(ノーワーキングジョイント) |
| 金物 | 稲妻プレート | 旗プレート・スライド旗プレート |
| 追従性能 | 他方式より高い | 水平方向のみ追従 |
・ルーズホール自体はボルト締め要請でしっかり固定する
・スライドホール部(変位吸収部分)は稼働できるよう手締め程度+油止めとする
固定方式
層間変位への追従性を必要としない場合(スパンドレル方式など)に使用する方式です。
④ 仮止め・施工上のポイント
| 項目 | 数値・内容 |
|---|---|
| 仮止め(パネル材) | 3箇所以上 |
| 仮止め(片材・方立て等) | 2箇所以上 |
| 本止め後の仮止めボルト | 性能上支障のある仮止めボルトは速やかに撤去 |
| PCカーテンウォールの最小かぶり厚さ | 有効な仕上げあり:2cm / なし:3cm |
| 取り付け作業方向 | 室内側からも行えるように計画 |
寸法許容差
| 種別 | 鉛直方向 | 水平方向 | 目地の幅 |
|---|---|---|---|
| カーテンウォール全般 | ±10mm | ±25mm | — |
| メタルカーテンウォール(目地幅) | — | — | ±3mm |
| プレキャストコンクリートCW(目地幅) | — | — | ±5mm |
| GRC(辺長の寸法差) | ±3mm | ±3mm | — |
⑤ ジョイント方式(オープン vs フィールド)
オープンジョイント方式
カーテンウォール工事の代表的な排水機構。ジョイント部を開放し、内部に等圧空気層を設けることで雨水の侵入を防ぎます。
3要素:水切り(レインバリア)・空気層(等圧層)・気密層(ウィンドバリア)
フィールドジョイント方式(ダブルシール方式)
プレキャストコンクリートの外部側にシーリング、内部側にガスケットを設けることで雨水の侵入を2段階で防止する水密工法です。
⑥ 耐火・層間塞ぎ
| 部位 | 耐火時間 |
|---|---|
| 炎症のおそれのある部分 | 1時間 |
| それ以外の部分 | 30分 |
スラブとカーテンウォールパネルの隙間から煙が上階に侵入しないよう、厚さ1.6mm以上の鋼板の上にロックウール、または50mm以上のモルタル・コンクリートで層間を塞ぎます(層間塞ぎ)。
水密試験:毎分4L/m²の水を噴射し続け、脈動圧を10分間加えて確認します。
⑦ ALCパネル工事
ALCパネルの基本
ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)は高温高圧蒸気養生(オートクレーブ養生)で製造したプレキャスト軽量気泡コンクリート版です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 寸法 | 幅600mm、長さ1.8m〜6m、厚さ35〜200mm(一般的に約100mm) |
| 圧縮強度 | 3N/mm²以上(軽量・断熱性高・圧縮強度は低い) |
| 使用禁止箇所 | 集中荷重・衝撃を受ける箇所、構造耐力上の部分、土・水が接する部分 |
| 屋外・吸水箇所 | 必ず防水・防質処理が必要(塗装・タイル貼り等) |
保管・積み上げ高さの比較
| 種別 | 最大積み上げ高さ | 備考 |
|---|---|---|
| ALCパネル | 2m以下(1段1m以下) | 3種類の中で最も軽量 |
| ECPパネル | 1m以下 | 枕木2本・平坦乾燥場所 |
| PC版 | 6段以下 | 3種類の中で最も重量 |
ALCパネル縦壁の取り付け工法
| 工法 | 固定方法 | 目地シーリング |
|---|---|---|
| ロッキング工法 | 上下各中央1箇所ボルト固定、自重は下部中央の受けプレートで支持 | 2面接着 |
| スライド工法 | 長辺方向上場をスライド旗プレートで接合、4点固定 | 3面接着 |
| 横張りボルト止め工法 | 長辺両端フックボルト等で上端アングル下地座に取り付け。3〜5段ごとに自重受けで支持 | — |
ALC施工の重要数値
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 充填モルタルの調合(セメント:砂) | 1:3.5(砂多めでひび割れ防止) |
| パネルへの溝切り(1枚あたり) | 1本、幅30mm以下、深さ1/3以下 |
| コア抜き(1枚あたり) | 1箇所、外壁・間仕切りはパネル幅の1/6以下、屋根は50mm以下 |
| パラペット跳ね出し | パネル厚さの6倍(6D)以下 |
| 外壁パネル短辺相互の目地幅 | 20mmの伸縮目地 |
| 横目地の目地幅 | 10〜20mmの伸縮目地 |
| 床・屋根パネルのかかり代 | 主要支点距離の1/75以上かつ40mm以上 |
| 立て込み時の目違い | 6mm以内 |
| 長辺目地補強メジ鉄の長さ | 1m |
⑧ 押し出し成形セメント板(ECP)工事
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 寸法 | 幅400〜1200mm、長さ最大5m、厚さ50〜100mm(主流60mm) |
| 内部 | 中空構造(遮音性がALCより高い) |
| 断熱性 | ALCより低い(ALCは微細気泡で断熱性高) |
| デザイン性 | ECPの方が豊富(表面ツルツル・着色品あり) |
| タイル後貼り施工性 | ALCよりECPの方が良い |
| 保管積み上げ高さ | 1m以下(枕木2本、平坦・乾燥場所) |
| 横張り・自重受け間隔 | 3枚以下ごとに自重受け |
| 目地幅(特記なし時) | 長辺8mm以上、短辺15mm以上 |
⑨ 屋根工事
銅板葺き
止め付け用のビスは銅・銅合金またはステンレス製を使用します。異種金属(亜鉛メッキ等)を組み合わせると電蝕(ガルバニック腐食)が促進されます。
折板葺き(タイトフレーム)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトフレーム固定方法 | 鉄骨の場合はアーク溶接(両側全周・立ち上がり内側回し肉盛り溶接) |
| ドリルビスの穴径 | ボルト径より0.5mm以上大きくしてはならない |
| ケラバ包みの間隔 | 1.2m以下でタイトフレーム下地に取り付け |
| 端部ケラバ | ケラバ包みによる方法が原則 |
⑩ アルミ製品(手すり・笠木)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 伸縮調整継手の間隔 | 5〜10m間隔(温度差40℃で1mあたり約1mm伸縮) |
| アルミ合金の膨張係数 | 鋼の約2倍 → 調整継手の間隔をより短く |
| 手すりのモルタル埋込み部 | コンクリート・モルタル中に入る部分も錆止め処理を行う |
| 笠木の取り付け順序 | コーナー・役物部分を先に取り付け、直線部分は後で調整 |
| 笠木のジョイント部 | オープンジョイント(クリアランス6mm程度) |
| 固定金具の取り付け間隔 | 1.3m程度 |
⑪ 重要数値まとめ
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| CW仮止め(パネル材) | 3箇所以上 |
| CW仮止め(片材) | 2箇所以上 |
| PCカーテンウォール最小かぶり厚(有効仕上げあり) | 2cm |
| PCカーテンウォール最小かぶり厚(仕上げなし) | 3cm |
| CW水密試験 | 毎分4L/m²・10分間 |
| ALCパネル積み高さ | 2m以下(1段1m以下) |
| ALC充填モルタル調合 | セメント:砂 = 1:3.5 |
| ALCパラペット跳ね出し | パネル厚さの6倍(6D)以下 |
| ALC外壁短辺目地幅 | 20mm |
| ALC立て込み目違い | 6mm以内 |
| ALC床・屋根かかり代 | 支点距離の1/75以上かつ40mm以上 |
| ECPパネル積み高さ | 1m以下 |
| ECP目地幅(長辺) | 8mm以上 |
| ECP目地幅(短辺) | 15mm以上 |
| 折板ケラバ押さえ間隔 | 1.2m以下 |
| アルミ手すり伸縮調整継手間隔 | 5〜10m |
| アルミ笠木固定金具間隔 | 1.3m程度 |
| アルミ笠木ジョイントクリアランス | 6mm程度 |
✓ 実力チェック|○×問題
各問題が正しければ○、誤りであれば×で答えてください。
▶ 答えを見る
▶ 答えを見る
▶ 答えを見る
▶ 答えを見る
▶ 答えを見る
▶ 答えを見る
▶ 答えを見る
▶ 答えを見る
▶ 答えを見る
▶ 答えを見る
▶ 答えを見る
▶ 答えを見る
もっと深く学びたい方へ
サポ塾のメンバーシップでは、毎週ライブ授業+見逃し配信+過去問解説をフル受講できます。
施工・計画・構造・法規・環境設備の全科目をカバー。試験直前まで一緒に走り切りましょう。