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【Vol.046】【1級建築士・施工】コンクリート工事①を完全攻略|用語・セメント・各種コンクリートの数値を徹底整理

【Vol.046】【1級建築士・施工】コンクリート工事①を完全攻略|用語・セメント・各種コンクリートの数値を徹底整理

建築士試験サポ塾 / 施工 第10回

コンクリート工事は施工科目の中でも毎年2問前後出題される最重要テーマです。今回(第10回)は「コンクリート工事①」として、基本用語・セメントの種類・各種コンクリートの管理値・強度の種類・骨材まで幅広く解説します。数値を正確に覚えることが合格への近道です。

1|コンクリート関係の基本用語

コンシステンシー

主に水量によって規定される、フレッシュコンクリートの変形または流動に対する抵抗性(柔らかさ・粘り気)のこと。コンシステンシーが高い=スランプが大きい=柔らかい、低い=硬い。

ワーカビリティー

運搬・打込み・締固め・仕上げなど、コンクリート施工の全工程におけるフレッシュコンクリートの作業性(施工しやすさ)の総合的な性質。

ブリーディング・レイタンス

コンクリート打設後、表面に水分が浮き上がる現象がブリーディング。浮き上がった白い物質がレイタンス。レイタンスはコンクリート表面に悪影響を与えるため、タンピング(網状の器具で叩いて沈ませる)で防ぐ。

クラックスケール・リバウンドハンマー

クラックスケール:コンクリートのひび割れ幅(長さではなく幅)を計測する器具。
リバウンドハンマー(シュミットハンマー):非破壊式のコンクリート強度測定機。反発度から圧縮強度を換算する(精度はやや劣る)。

2|JASS5 2022年改定のポイント

2022年のJASS5大改定のメインテーマは「環境配慮」。以下の3つの環境性が設定された。

  • 資源循環性:混和材・再生骨材・スラグ骨材・回収水の利用割合でランク0〜3に評価
  • 低炭素性(生産性):使用セメントの種別によりランク0〜3に評価
  • 環境安全性:有害物質が規定量を超えないことをJIS・JASで確認
主な変更点まとめ

  • 「アルカリ骨材反応」→「アルカリシリカ反応(ASR)」に名称変更
  • 「水セメント比」→「水結合材比」に変更
  • 「単位セメント量」→「単位結合材量」に変更
  • シリカセメント廃止
  • 回収水のうち、上澄み水は高強度コンクリートに使用可。スラッジ水は高強度・超長期には使用不可
  • 非腐食環境下(主に室内)では耐久設計基準強度の設定不要

3|セメントの種類と特徴

ポルトランドセメント系

種類 特徴・用途
普通ポルトランドセメント 標準・最も一般的
早強ポルトランドセメント 早期強度発現が必要な場合
中庸熱ポルトランドセメント 水和熱が低く、乾燥収縮が小さい。マスコンクリートに適用

混合セメント系

種類 特徴・用途
高炉セメントB種
(スラグ 30%超〜60%以下)
初期強度は小さいが長期強度が大きい。水密性が高く常時水に浸かる場所(ダム・トンネル・橋)やマスコンクリートに適用。アルカリシリカ反応抑制。28日後に普通ポルトランドと同等強度。養生期間を長く取る必要あり
フライアッシュセメント ワーカビリティ向上・水和熱小・乾燥収縮小・アルカリシリカ反応抑制。主に土木工事
頻出過去問(すべて○)
・アルカリシリカ反応の抑制対策として高炉セメントB種を使用した
・アルカリシリカ反応の抑制対策としてフライアッシュセメントを使用した
・マスコンクリートには中庸熱ポルトランドセメントを使用した
・マスコンクリートには高炉セメントB種を使用した

4|普通コンクリートの管理値(必須暗記)

まず普通コンクリートの数値を基準として覚え、他の特殊コンクリートと比較することが最重要です。

管理項目
水結合材比(水セメント比) 65%以下
単位水量 185 kg/m³以下
単位結合材量(旧:単位セメント量) 270 kg/m³以上(AE減水剤使用時は290 kg/m³以上)
空気量 4.5%(許容差 ±1.5% → 3〜6%がOK範囲)
塩化物量 0.3 kg/m³以下(防錆措置を施した場合は0.6 kg/m³まで可)
細骨材中の塩化物量 0.04%以下
荷卸し時のコンクリート温度 35℃以下
コンクリート中のアルカリ総量 3.0 kg/m³以下

5|各種コンクリートの管理値(比較整理)

マスコンクリート(部材最小寸法 80cm以上)

  • 水和熱による温度ひび割れが発生しやすいため、単位結合材量をできるだけ少なく低スランプ(15cm以下)とする
  • AE減水剤は遅延系を使用(促進系はバツ)
  • 荷卸し温度:35℃以下
×バツ問:マスコンクリート打込み後、内部温度が急上昇したので冷却を目的として表面に散水した
→打込み表面の急激な温度低下はNG。打込み時のコンクリート温度をできるだけ低く抑えることが重要

水中コンクリート

  • 静水中にトレミー管を用いて打設
  • トレミー管先端はコンクリート中に2m以上挿入した状態で打設
  • 水結合材比:場所打ちコンクリート60%以下、地中壁55%以下
  • 単位結合材量:場所打ちコンクリート330 kg/m³以上、地中壁360 kg/m³以上

水密コンクリート(プール・水槽・地下室など圧力水が作用する場所)

  • 水結合材比:50%以下(普通65%に対してほぼ半分)
  • 単位水量はできるだけ小さく、粗骨材はできるだけ大きくする
  • 荷卸し温度:30℃以下(普通コンクリートより低い)
×バツ問:水密コンクリートの水セメント比を55%とした→50%以下が正しい

寒中コンクリート(打込み日を含む7日間の日平均気温が4℃以下となる期間)

  • 養生中のコンクリート温度は2℃を下回らないよう5日間以上保持
  • 荷卸し温度の下限値:5℃以上(3℃とするはバツ)
  • 加熱時のミキサー内骨材・水の温度上限:40℃(45℃はバツ)
  • 加熱・断熱養生の終了時は急激な乾燥・冷却を避ける(速やかに外気に近づけるはバツ)
  • 打込み後91日(3ヶ月)の積算温度が840°D・Dを下回る期間は温度時間関数で構造体強度補正値を決定

暑中コンクリート(打込み日を含む7日間の日平均気温が25℃を超える期間)

  • 荷卸し温度:35℃以下
  • 構造体強度補正値(特記なければ):+6 N/mm²
  • AE減水剤は遅延系または流動化剤を使用(水の追加はNG)
  • 養生期間は計画供用期間に関わらず5日間
  • 打込み時間:90分以内(120分ではなく90分)
  • 特に日平均気温が28℃を超える期間は「告期」とし、製造・運搬・打設に対策を実施

軽量コンクリート(1種・2種)

  • 高さ60mを超える建物のスラブなどに使用。自重軽減・熱伝導率が普通コンクリートの約半分
  • 人工骨材(天然にない)を使用。粗骨材寸法:15mm程度
  • 空気量:5%(普通コンクリートより高い)、許容差 ±1.5%
  • スランプ:21cm以下
  • 単位結合材量最小値:320 kg/m³以上(設計基準強度27N超の場合340 kg/m³)
  • 水結合材比:55%以下
  • 単位水量:185 kg/m³以下(普通コンクリートと同じ)

高流動コンクリート

  • 生コン工場出発時から流動性を著しく高めたコンクリート。バイブレーター使用不可の場所などに適用
  • 流動性はスランプフローで表す:55cm以上65cm以下(許容差 ±7.5cm、50cm以上70cm未満)
  • 空気量:3%以上4.5%以下
  • 単位水量:175 kg/m³以下
  • 打込み時間:120分以内(気温に関わらず)

高強度コンクリート(設計基準強度48N/mm²超)

  • 流動性はスランプまたはスランプフローで表す
  • 設計基準強度45未満:スランプ21cm以下、フロー50cm以下
  • 設計基準強度60以下:スランプ23cm以下、フロー60cm以下
  • 加力時の圧縮強度:8 N/mm²以上(普通コンクリートは5 N/mm²)
  • 打込み時間:120分以内(気温に関わらず)

流動化コンクリート(後から流動化剤を添加)

  • 元のベースコンクリートのスランプ:15cm以下
  • 流動化後のスランプ:21cm以下(増加量は10cm以下)
  • 流動化から打込み終了までの時間:外気温25℃以下で30分以内、25℃超で20分以内
  • 調合強度はベースコンクリートの圧縮強度に基づいて決定

プレストレストコンクリート

  • プレテンション方式:35 N/mm²以上
  • ポストテンション方式:24 N/mm²以上
  • スランプ:12cmまたは18cm
  • 塩化物量:プレテンション0.2 kg/m³、ポストテンション0.3 kg/m³
  • 水結合材比:45%以下(水密コンクリートよりさらに低い)

充填コンクリート(CFT構造)

  • 鋼管内部にコンクリートを充填する構造。SRC(鉄骨鉄筋)の逆バージョン
  • 頂部からトレミー管またはフレキシブルホースで打設。トッププレートに150mm程度の穴が必要
  • スランプフロー:55cm以上65cm以下
  • 空気量:1%以上4.5%以下(少量でOK)
  • 単位水量:175 kg/m³以下
  • ブリーディング量:0.15 cm³/cm²以下、沈降量:2mm以下

6|コンクリート強度の種類(調合管理強度が最重要)

同じコンクリートの「強度」に複数の呼び方があります。特に調合管理強度(=呼び強度)の位置づけを理解してください。

強度の種類 説明
設計基準強度(Fc) 設計者が構造計算で用いる強度
耐久設計基準強度(Fd) 計画供用期間に応じた耐久性確保のための強度。短期18・標準24・長期30・超長期36 N/mm²
品質基準強度(Fq) 設計基準強度と耐久設計基準強度のうち大きい方
調合管理強度(Fm)=呼び強度 品質基準強度+構造体強度補正値(mSn)。生コン業者への発注時の強度
調合強度 業者が調合管理強度を満たすためにばらつきを考慮して割り増しした強度(現場では不使用)

構造体強度補正値(mSn)の目安

セメント種類 気温条件 補正値
普通セメント(境目:8℃ 8℃未満、または25℃超 +6 N/mm²
普通セメント 8℃以上25℃以下 +3 N/mm²
高炉セメント(境目:13℃ 13℃未満、または25℃超 +6 N/mm²
高炉セメント 13℃以上25℃以下 +3 N/mm²
×バツ問:高炉セメントBを使用したコンクリートで予想平均気温が8〜10℃だったので構造体強度補正値を3 N/mm²とした
→高炉セメントの境目は13℃。8〜10℃は13℃未満なので補正値は+6 N/mm²

7|骨材・スランプ・実積率の基礎知識

細骨材・粗骨材の定義

  • 細骨材(砂):5mmふるいを85%以上通る骨材
  • 粗骨材(砂利・砕石):5mmふるいに85%以上残る骨材

粗骨材の最大寸法

  • 鉄筋相互のあき×4/5以下、かつ最小かぶり厚さ以下
  • 柱・梁・スラブ・壁(突起なし):砂利25mm、砕石20mm
  • 砕石の場合は20mmまで(25mmはバツ)

実積率とスランプの関係

  • 実積率が高い(骨材が丸く隙間が少ない)→ 流動性が良い → スランプが大きい
  • 実積率が低い(骨材が扁平・隙間が大きい)→ 流動性が悪い → スランプが小さい
  • 細骨材率を大きくする → 粗骨材率が減る → 流動性向上 → スランプ大きくなる(ただし過剰は逆効果)
  • 単位水量が大きい → 流動性向上 → スランプ大きくなる
  • コンクリートの強度は水セメント比に反比例(水が多いほど強度が低下)

8|絶対容積と質量の関係(表・図問題対策)

「質量比」か「容積比」かの見分け方

  • 水結合材比(水セメント比):材質が異なるので→質量比
  • 細骨材率:骨材同士なので→容積比
  • 空気量(%):気体は重さで測れないので→容積比
  • フレッシュコンクリートの単位容積質量:→質量
  • 骨材の表乾密度:単位容積当たりの質量→ g/cm³(質量/容積)

✅ 実力チェック|○×問題

各問題が正しければ○、誤りであれば×で答えてください。

問1. コンシステンシーが高いとは、スランプが大きく柔らかいコンクリートのことである。
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→ 正しい。コンシステンシーが高い=スランプ大=柔らかい(低い=スランプ小=硬い)。

問2. ブリーディングとはコンクリート打設後に表面にセメントが浮き上がる現象であり、この物質をレイタンスという。
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→ 浮き上がるのは「セメント」ではなく「水分」。浮き上がった白い物質がレイタンスである。

問3. マスコンクリートにはAE減水剤の促進系を使用する。
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→ マスコンクリートは水和熱の発生が大きいため、AE減水剤は「遅延系」を使用する。促進系はバツ。

問4. 普通コンクリートの水結合材比の上限は65%である。
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→ 正しい。普通コンクリートの水結合材比は65%以下。各種コンクリートの基準値として覚えること。

問5. 水密コンクリートの水結合材比は55%以下とする。
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→ 水密コンクリートの水結合材比は50%以下。55%ではなく50%が正しい。

問6. 寒中コンクリートにおいて、コンクリートの温度が2℃を下回らない期間を3日とした。
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→ 2℃を下回らない期間は3日ではなく「5日以上」が正しい(2℃・5日間が合言葉)。

問7. 寒中コンクリートにおいて加熱する場合、ミキサー内の骨材・水の温度上限は45℃とした。
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→ 上限は40℃。45℃ではなく40℃が正しい。これも頻出バツ問。

問8. 暑中コンクリートの打込み時間は外気温25℃を超えても120分以内でよい。
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→ 暑中コンクリートの打込み時間は90分以内。120分は高流動・高強度コンクリートの規定。

問9. 高炉セメントB種を使用したコンクリートの構造体強度補正値において、気温が8~10℃の場合、補正値は+3 N/mm²でよい。
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→ 高炉セメントの境目は13℃。8〜10℃は13℃未満なので補正値は+6 N/mm²。普通セメントの境目8℃と混同しないこと。

問10. 高流動コンクリートのスランプフロー値は55cm以上65cm以下とし、許容差は±7.5cmである。
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→ 正しい。スランプフロー55〜65cm(許容差±7.5cm)。さらに50cm以上70cm未満の規定もある。

問11. 柱・梁・壁のコンクリートに突起がない場合、粗骨材最大寸法として砕石(砕石)は25mmを使用できる。
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→ 砕石(砕石)は20mmまで。25mmが使えるのは砂利のみ。砕石は20mm、砂利は25mmと覚えること。

問12. 流動化コンクリートにおいて、流動化後のスランプは21cmを超えてはならず、流動化剤によるスランプの増加量は10cm以下とする。
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→ 正しい。ベーススランプ15cm以下、流動化後21cm以下、増加量10cm以下が正しい規定。

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