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【Vol.052】【1級建築士・施工】石・タイル工事を完全攻略|数値・工法を徹底整理

建築士試験サポ塾 / 施工 第16回 / Vol.052

【Vol.052】【1級建築士・施工】石・タイル工事を完全攻略|数値・工法を徹底整理

2026年6月14日更新

1級建築士試験「施工」科目の頻出テーマ、石工事・タイル工事を徹底解説します。

この分野は数値問題・工法の違い・モルタル配合が繰り返し出題されます。特に「どちらの面に塗るか」「何分以内か」「何mm以上か」というポイントを整理することが合格への近道です。

本記事はサポ塾ライブ授業の解説をもとに作成しています。動画と合わせてご活用ください。

▼ ライブ授業アーカイブはこちら(YouTube)

【Vol.052】施工 第16回|石・タイル工事を完全攻略

※ YouTubeが開きます

① 石工事の基礎知識

代表的な岩石の種類と用途

岩石名 代表的な石材 主な用途・特徴
花崗岩(かこうがん) 御影石 外装材。耐久性に優れるが耐火性に劣る
安山岩(あんざんがん) 鉄平石 外構の床材・玄関ポーチ。加工しやすい
粘板岩(ねんばんがん) 天然スレート 屋根材の原料。容易に薄板状に剥裂できる
大理石(だいりせき) ビアンコカラーラ等 内装の床・壁に使用。耐候性に劣るため外装不可
砂岩(さがん) 三影石 小石・階段の縁石など
ポイント: 大理石は高級感があるが耐候性に劣るため、外装には使用できません。ホテルや駅の内装が代表例です。

② 石張り工事の重要数値

石材の厚み(工法別)

工法 石材の最小厚さ
内壁空積み工法 20mm以上
プレキャストコンクリート部材への先付け 25mm以上
湿式・乾式工法(通常) 30mm以上 70mm以下
出題注意: プレキャスト先付けは「20mm以上」と誤って出題されることがあります。正しくは25mm以上です。

乾式工法・湿式工法の違い(石裏とコンクリート躯体の間隔)

工法 石裏〜コンクリート躯体の距離 固定方法
湿式工法(刺式) 約40mm 裏込めモルタル+ダボ
乾式工法(乾式) 70〜100mm 金属ファスナー+ダボ(ステンレス)
ポイント: 乾式工法では石の厚み(30mm)よりも躯体との空間(70〜100mm)の方が大きくなります。設計時に仕上がり寸法を正確に把握することが重要です。

石材の最大寸法・シーリング

項目 湿式工法 乾式工法
石材1枚あたりの最大面積 0.8m²以下 0.8m²以下
幅・高さの制限 正方形に近い矩形 1,200mm以下
シーリング材: ポリサルファイド系を使用。目地寸法は幅・深さとも8mm以上(5mmはNG)。

シアコネクター・アンカー

部材 仕様
シアコネクター(石への埋め込み) ステンレス SUS304 径4mm、埋め込み長さ18mm程度
ファスナー固定用アンカー ステンレス SUS304 の金属系アンカー(雄ネジ型が推奨)
試験頻出: シアコネクターの石への埋め込み長さは18mm程度。このまま暗記してください。

内壁空積み工法の裏込めモルタル

据え付け時の楔を取り外した後、楔がない部位には石裏に高さ100mm程度まで裏込めモルタルを充填します。

モルタル配合(容積比)

用途 セメント:砂(容積比) 備考
石工事・湿式工法の張り付けモルタル 1:4 富調合(砂が多め)
外壁湿式工法・裏モルタル 1:3 一般的なモルタル
タイル張り付けモルタル セメント:細骨材 1:2〜3 細骨材(砂ではない点に注意)
配合の覚え方: セメントが多い=貧調合=硬くひび割れしやすい。砂が多い=富調合=ひび割れしにくいが強度は低め。石工事の湿式張り付けモルタルは「1:4(富調合)」がよく出ます。

外壁石工事の伸縮調整目地

方向 設置基準
垂直目地 ワンスパン(約6m)に1か所
水平目地 各階ごと(スラブ位置等)
面積の目安 30m²程度ごと

③ タイル工事の基礎知識

タイルの素地質による分類

分類 種類 吸水率 耐凍害性
I類(磁器質) 最も硬く強い 3%以下 あり
II類(せっ器質) 硬い 約10% あり
III類(陶器質) やわらかい 50%以下 なし

タイルの大きさによる名称

名称 寸法
小口タイル 108mm × 60mm
2丁掛けタイル 227mm × 60mm
3丁掛けタイル 227mm × 90mm

④ タイル下地・モルタルの重要数値

コンクリート下地の処理

  • 清掃 → 目荒らし(高圧水洗浄:150〜200kgf/cm²
  • MCR工法:型枠に専用シートを取り付けてコンクリートを打ち、脱型後に凹凸を作る方法(タイルのモルタル食い付きを高める)

モルタル下地の塗り厚

超頻出!
総塗り厚:25mm以下
1回の塗り厚:標準6mm、限度9mm

⑤ タイル後付け工法の比較まとめ

各工法の「どの面にモルタルを塗るか」「何分以内か」「何m²以内か」は試験の核心です。

工法 モルタルを塗る面 塗り付け面積 貼り終わりまでの時間 張る方向
改良圧着張り 躯体面+タイル裏面(両面 2m²以内 60分以内 上から下
密着張り 躯体面のみ(2層塗り) 2m²以内 20〜30分以内 上から下
改良積み上げ張り タイル裏面のみ 60分以内 下から上
マスク張り タイル裏面のみ 5分以内(壁面貼り付けまで)、60分以内(使い切り) 上から下
モザイクタイル張り 躯体面のみ(2層塗り) 3m²以内 30分以内 上から下
接着剤張り 躯体面のみ 3m²以内 30分以内 上から下
試験頻出: 密着張りの貼り終わり時間は20〜30分以内。「60分以内」と出たら×。改良系は60分です。
密着張りのコツ: 振動工具(バイブラート)を使い、タイルをモルタルの中に埋め込むように密着させます。目地の深さがタイル厚の1/2以下になるまで振動させること。

積み上げ張りの注意点

改良積み上げ張りは下から上に張ります。1日の貼り付け高さは1.5m以内とします。

接着剤張りの注意点

屋外に使用する有機系接着剤は1液型の変成シリコン樹脂系とします。
2液型は現場で主剤と硬化剤を混合するため練り混ぜ不良が生じやすい。1液型はあらかじめ混合済みのため不良を防止できます。

タイル目地・施工後検査

項目 規定値
化粧目地の深さ タイル厚の1/2以下(目地モルタルをタイル厚の1/2以上充填)
目地詰め開始時期 貼り付け後24時間以上経過後
打診検査の範囲 全面(1/2はNG)
打診検査の時期 施工後2週間以上経過後
引張接着強度(後付け) 0.4N/mm²以上
引張接着強度(先付け) 0.6N/mm²以上
引張試験の頻度 100m²以下ごとに1個以上、かつ全体で3個以上
試験頻出: 打診検査は「全面の1/2程度」ではなく全面が正解です。この誤りは何度も出題されています。

タイル工事の伸縮調整目地

方向 設置基準
水平目地 各階ごと、または3〜4m以内ごと
垂直目地 3〜4m以内ごと(石工事の6mより短い)
伸縮目地の幅 10mm以上(8mmはNG)
伸縮目地の位置 下地のひび割れ誘発目地・水平打継ぎ・構造スリットと一致させる
比較ポイント: 石工事の垂直目地は約6m、タイル工事は3〜4m。タイルの方が細かく設ける必要があります。

施工中止条件

気温が3℃以下の場合は原則として作業を中止します(シートやヒーターで保温すれば施工可能)。
※ 一般的な「5℃以下で中止」とは異なる点に注意。

✅ 実力チェック|○×問題

各問題が正しければ○、誤りであれば×で答えてください。

【問1】 大理石は耐候性に優れているため、外壁の外装材として広く使用される。
▶ 答えを見る

→ 大理石は耐候性に劣るため、外装には使用できません。内装の床・壁材として使用されます。

【問2】 プレキャストコンクリート部材に先付けされる石材の厚さは25mm以上とする。
▶ 答えを見る

→ 正しい。プレキャスト先付けは25mm以上。「20mm以上」と出たら×です。

【問3】 外壁乾式工法による石張り工事で、シーリング材の目地寸法は幅・深さともに5mm以上とした。
▶ 答えを見る

→ シーリング材の目地寸法は幅・深さともに8mm以上が必要です。5mmは不足。

【問4】 石工事における湿式工法の張り付けモルタルの調合は、容積比でセメント1:砂4である。
▶ 答えを見る

→ 正しい。石工事・湿式工法の張り付けモルタルはセメント1:砂4(富調合)です。

【問5】 タイルの素地質において、陶器質(III類)は磁器質(I類)より吸水率が高く、耐凍害性がない。
▶ 答えを見る

→ 正しい。吸水率:磁器質3%以下 < せっ器質約10% < 陶器質50%以下。陶器質は耐凍害性なし。

【問6】 セメントモルタルによるタイル密着張りにおいて、貼り付けモルタルの1回の塗り付け面積は2m²以内、かつ60分以内に張り終える量とした。
▶ 答えを見る

→ 面積は2m²以内で正しいですが、密着張りの時間は20〜30分以内です。60分以内は改良圧着張り・改良積み上げ張りの基準です。

【問7】 改良積み上げ張りは、上から下へ張るのが基本である。
▶ 答えを見る

→ 改良積み上げ張りは「下から上」へ張ります。その他の工法は基本的に上から下です。

【問8】 屋外に使用する有機系接着剤は、2液型の変成シリコン樹脂系のものとする。
▶ 答えを見る

→ 屋外用接着剤は「1液型」の変成シリコン樹脂系です。2液型は練り混ぜ不良の原因になります。

【問9】 タイル張り面の打診検査は、施工後2週間以上経過してから、全面について行う。
▶ 答えを見る

→ 正しい。施工後2週間以上経過してから、全面について打診検査を行います。

【問10】 タイル工事における引張接着強度試験において、後付け工法の場合の引張接着強度は0.6N/mm²以上とする。
▶ 答えを見る

→ 後付け工法の場合は0.4N/mm²以上。0.6N/mm²は先付けの場合の基準です。

【問11】 タイル工事の伸縮調整目地の幅は8mm以上とし、下地のひび割れ誘発目地と一致させる。
▶ 答えを見る

→ 下地の誘発目地と一致させる点は正しいですが、伸縮調整目地の幅は10mm以上です(8mmはNG)。

【問12】 モルタル下地によるタイル張り工事において、モルタルの総塗り厚は25mm以下とし、1回の塗り厚は6mmを標準、9mmを限度とする。
▶ 答えを見る

→ 正しい。総塗り厚25mm以下、1回の塗り厚は標準6mm・限度9mmです。試験頻出の数値です。

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