建築士試験サポ塾 / 施工 第16回 / Vol.052
【Vol.052】【1級建築士・施工】石・タイル工事を完全攻略|数値・工法を徹底整理
2026年6月14日更新
1級建築士試験「施工」科目の頻出テーマ、石工事・タイル工事を徹底解説します。
この分野は数値問題・工法の違い・モルタル配合が繰り返し出題されます。特に「どちらの面に塗るか」「何分以内か」「何mm以上か」というポイントを整理することが合格への近道です。
本記事はサポ塾ライブ授業の解説をもとに作成しています。動画と合わせてご活用ください。
① 石工事の基礎知識
代表的な岩石の種類と用途
| 岩石名 | 代表的な石材 | 主な用途・特徴 |
|---|---|---|
| 花崗岩(かこうがん) | 御影石 | 外装材。耐久性に優れるが耐火性に劣る |
| 安山岩(あんざんがん) | 鉄平石 | 外構の床材・玄関ポーチ。加工しやすい |
| 粘板岩(ねんばんがん) | 天然スレート | 屋根材の原料。容易に薄板状に剥裂できる |
| 大理石(だいりせき) | ビアンコカラーラ等 | 内装の床・壁に使用。耐候性に劣るため外装不可 |
| 砂岩(さがん) | 三影石 | 小石・階段の縁石など |
② 石張り工事の重要数値
石材の厚み(工法別)
| 工法 | 石材の最小厚さ |
|---|---|
| 内壁空積み工法 | 20mm以上 |
| プレキャストコンクリート部材への先付け | 25mm以上 |
| 湿式・乾式工法(通常) | 30mm以上 70mm以下 |
乾式工法・湿式工法の違い(石裏とコンクリート躯体の間隔)
| 工法 | 石裏〜コンクリート躯体の距離 | 固定方法 |
|---|---|---|
| 湿式工法(刺式) | 約40mm | 裏込めモルタル+ダボ |
| 乾式工法(乾式) | 70〜100mm | 金属ファスナー+ダボ(ステンレス) |
石材の最大寸法・シーリング
| 項目 | 湿式工法 | 乾式工法 |
|---|---|---|
| 石材1枚あたりの最大面積 | 0.8m²以下 | 0.8m²以下 |
| 幅・高さの制限 | 正方形に近い矩形 | 1,200mm以下 |
シアコネクター・アンカー
| 部材 | 仕様 |
|---|---|
| シアコネクター(石への埋め込み) | ステンレス SUS304 径4mm、埋め込み長さ18mm程度 |
| ファスナー固定用アンカー | ステンレス SUS304 の金属系アンカー(雄ネジ型が推奨) |
内壁空積み工法の裏込めモルタル
モルタル配合(容積比)
| 用途 | セメント:砂(容積比) | 備考 |
|---|---|---|
| 石工事・湿式工法の張り付けモルタル | 1:4 | 富調合(砂が多め) |
| 外壁湿式工法・裏モルタル | 1:3 | 一般的なモルタル |
| タイル張り付けモルタル | セメント:細骨材 1:2〜3 | 細骨材(砂ではない点に注意) |
外壁石工事の伸縮調整目地
| 方向 | 設置基準 |
|---|---|
| 垂直目地 | ワンスパン(約6m)に1か所 |
| 水平目地 | 各階ごと(スラブ位置等) |
| 面積の目安 | 30m²程度ごと |
③ タイル工事の基礎知識
タイルの素地質による分類
| 分類 | 種類 | 吸水率 | 耐凍害性 |
|---|---|---|---|
| I類(磁器質) | 最も硬く強い | 3%以下 | あり |
| II類(せっ器質) | 硬い | 約10% | あり |
| III類(陶器質) | やわらかい | 50%以下 | なし |
タイルの大きさによる名称
| 名称 | 寸法 |
|---|---|
| 小口タイル | 108mm × 60mm |
| 2丁掛けタイル | 227mm × 60mm |
| 3丁掛けタイル | 227mm × 90mm |
④ タイル下地・モルタルの重要数値
コンクリート下地の処理
- 清掃 → 目荒らし(高圧水洗浄:150〜200kgf/cm²)
- MCR工法:型枠に専用シートを取り付けてコンクリートを打ち、脱型後に凹凸を作る方法(タイルのモルタル食い付きを高める)
モルタル下地の塗り厚
総塗り厚:25mm以下
1回の塗り厚:標準6mm、限度9mm
⑤ タイル後付け工法の比較まとめ
各工法の「どの面にモルタルを塗るか」「何分以内か」「何m²以内か」は試験の核心です。
| 工法 | モルタルを塗る面 | 塗り付け面積 | 貼り終わりまでの時間 | 張る方向 |
|---|---|---|---|---|
| 改良圧着張り | 躯体面+タイル裏面(両面) | 2m²以内 | 60分以内 | 上から下 |
| 密着張り | 躯体面のみ(2層塗り) | 2m²以内 | 20〜30分以内 | 上から下 |
| 改良積み上げ張り | タイル裏面のみ | — | 60分以内 | 下から上 |
| マスク張り | タイル裏面のみ | — | 5分以内(壁面貼り付けまで)、60分以内(使い切り) | 上から下 |
| モザイクタイル張り | 躯体面のみ(2層塗り) | 3m²以内 | 30分以内 | 上から下 |
| 接着剤張り | 躯体面のみ | 3m²以内 | 30分以内 | 上から下 |
積み上げ張りの注意点
接着剤張りの注意点
2液型は現場で主剤と硬化剤を混合するため練り混ぜ不良が生じやすい。1液型はあらかじめ混合済みのため不良を防止できます。
タイル目地・施工後検査
| 項目 | 規定値 |
|---|---|
| 化粧目地の深さ | タイル厚の1/2以下(目地モルタルをタイル厚の1/2以上充填) |
| 目地詰め開始時期 | 貼り付け後24時間以上経過後 |
| 打診検査の範囲 | 全面(1/2はNG) |
| 打診検査の時期 | 施工後2週間以上経過後 |
| 引張接着強度(後付け) | 0.4N/mm²以上 |
| 引張接着強度(先付け) | 0.6N/mm²以上 |
| 引張試験の頻度 | 100m²以下ごとに1個以上、かつ全体で3個以上 |
タイル工事の伸縮調整目地
| 方向 | 設置基準 |
|---|---|
| 水平目地 | 各階ごと、または3〜4m以内ごと |
| 垂直目地 | 3〜4m以内ごと(石工事の6mより短い) |
| 伸縮目地の幅 | 10mm以上(8mmはNG) |
| 伸縮目地の位置 | 下地のひび割れ誘発目地・水平打継ぎ・構造スリットと一致させる |
施工中止条件
※ 一般的な「5℃以下で中止」とは異なる点に注意。
✅ 実力チェック|○×問題
各問題が正しければ○、誤りであれば×で答えてください。
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