ご質問ありがとうございます。
整理しますと、下記のようになります。
第9条
「創作した設計者側、つまり受託者に著作権を残します」
第10条
「でも委託者は、建物を建てる・使う・直す・管理する・広報するために必要な範囲では使えます」
第11条
「ただし、著作者人格権や公表・氏名表示の問題は、建物所有者である委託者の利益も大きいので、受託者が自由に何でもできるわけではありません」
第9条の2
「意匠権は著作権とは別の強い独占権になるので、どちらかが勝手に登録して相手を縛らないよう、事前承諾制にします」
9条だけを見ると「受託者が強い」ように見えますが、10条・11条で委託者が建物を現実に使えるように、かなり広い利用権を与えているという関係です。
重要なのは、「受託者に著作権がある=委託者は何もできない」ではないという点です。
ちなみに9条の2は、「著作権は受託者にあるけれど、意匠登録という別の強い権利を新たに取るときは、相手に影響するから、勝手にやらずに相手の承諾を取ってください」という条文です。
結論としては、著作権そのものは受託者に帰属します。
ただし、委託者には契約上かなり広い利用権が与えられています。
意匠権や公表・氏名表示は、相手方の利益にも影響するので、別途承諾が必要になっている、という理解でよいです。
一言で言うなら、権利の親元は受託者。
ただし、建物を実際に使い、管理し、広報し、改修するための実用上の権限は委託者にも強く認められている、というバランスです。
以上、回答とさせていただきます。