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【Vol.049】【1級建築士・施工】鉄骨工事②を完全攻略|数値・検査・ボルト締付けの要点まとめ

建築士試験サポ塾 / 施工 第13回

【Vol.049】【1級建築士・施工】鉄骨工事②を完全攻略|数値・検査・ボルト締付けの要点まとめ

Vol.049 / 施工 第13回 / 鉄骨工事②

鉄骨工事の第2回は「施工編」です。アンカーボルト・ベースプレートの設置寸法から、溶接欠陥の補修方法、高力ボルトの締付け手順、スタッド溶接の管理まで、試験に直結する数値が続々登場します。

数値は「現場でどんな意味をもつか」をイメージしながら覚えるのがコツ。現場監督になったつもりで読み進めてください。

📺 講義動画はこちらから視聴できます(YouTube Live アーカイブ)

▶ https://youtube.com/live/68SXvvaFulQ

📋 この記事の内容

  • 構造用アンカーボルトの位置精度と設置方法
  • ベースモルタル・ベースプレートの規定
  • 鉄骨製品検査の許容差と抜取り検査
  • 溶接欠陥の種類と補修方法
  • 仮ボルト・高力ボルトの締付け手順
  • 建て方精度の管理許容差
  • スタッド溶接の管理と試験方法
  • デッキプレート・耐火被覆

① 構造用アンカーボルトの位置精度

管理許容差と限界許容差

アンカーボルトの通り心からの位置精度には2段階の許容差があります。

区分 許容差 ポイント
管理許容差 ±3mm 試験によく出る。まずこちらを覚える
限界許容差 ±5mm 柱脚穴の余裕と対応(d+5mm)
なぜ±5mm?
ベースプレートのボルト穴がアンカーボルト径+5mm(d+5mm)となっているため、それ以上ずれると穴に通らなくなります。

アンカーボルトの設置手順

コンクリートの側圧でアンカーボルトが流されやすいため、鉄筋の組立て前にアンカーフレームを固定し、ボルトをセットします。

  • アンカーフレームで位置を固定 → アンカーボルトセット
  • 鉄筋組立て(ボルトを避けながら)→ コンクリート打設
  • ナットは二重締め(本締め+戻り止め)が原則
  • ボルトは3山以上突出させる

② ベースモルタル・ベースプレート

後詰め中心塗り工法(ベースモルタル)

項目 規定値
モルタルの厚み 30mm以上50mm以内
養生期間 3日以上
ベースプレートの厚み アンカーボルト径の1.3倍以上
注意! 鉄筋を先行して施工している場合、ベースプレートが当たるため鉄筋を30°以下で緩やかに曲げます。曲げる際は850〜900℃(赤熱状態)に加熱すること。200〜400℃(青熱状態)での加工は禁止です。

③ 鉄骨製品検査の許容差

抜取り検査

鉄骨製品検査は全数検査ではなく、1ロットの10%相当を抜き取って検査します。検査は錆止め塗装前に実施します。

製作精度の管理許容差(製品検査時)

項目 管理許容差
柱の長さ(10m未満) ±3mm
柱の長さ(10m以上) ±4mm
柱面の高さの差 ±3〜4mm
現場施工後の建方精度 ±5mm
覚え方のコツ: 製作段階(工場)は±3〜4mm、施工段階(現場)は±5mm。製品の誤差が積み重なって現場に来るため、工場での管理は厳しい。

④ 溶接欠陥の種類と補修方法

表面欠陥(外観で確認できるもの)

欠陥の種類 内容 補修方法
アンダーカット 溶着不足・へこみ ショートビードにならないよう補修溶接
オーバーラップ・余盛過大 溶着しすぎ グラインダー削除
ピット・クレーター 表面のくぼみ・穴 欠陥部を削除してから補修溶接
表面割れ(クラック) ひび割れ 両端から50mm以上取り、船底型に仕上げてから補修溶接

内部欠陥(超音波探傷試験などで発見)

欠陥の種類 補修方法
ブローホール・ピンホール アークエアガウジングで欠陥端部より20mm程度除去→船底型→再溶接
スラグの巻き込み アークエアガウジング+端部より20mm除去→船底型→再溶接
溶け込み不良・融合不良 アークエアガウジング+端部より20mm除去→船底型→再溶接
数値の使い分け:
・表面割れ → 両端から50mm以上
・内部欠陥 → 欠陥端部より20mm程度除去して再溶接

なお、ラミネーション(板厚方向の内部層状欠陥)が構造部材で発見された場合は補修不可→部材交換となります。

⑤ 仮ボルト・高力ボルトの締付け

仮ボルトの本数

継手の種類 仮ボルト本数
一般的な高力ボルト継手 ボルト1群に対し1/3程度かつ2本以上
高力ボルトと溶接の併用継手 ボルト1群に対し1/2程度かつ2本以上
重要: 一度仮ボルトとして使用したボルトは、たとえ高力ボルトであっても全数取り替えが原則です。また、エレクションピースに使用する仮ボルトは最初から全数高力ボルトを使用します。

高力ボルトの締付け手順

1次締め → マーキング → 本締め の順で行います。締付けは中央部から周辺に向かって行います。

締付け方法と管理数値

工法 内容 管理値
トルクコントロール法 締付けトルクで管理 M22の1次トルク:150N・m程度
ナット回転法 ナット回転量で管理 基本120°回転(M12は60°)
トルシア形高力ボルトの注意点:
・ピンテールの破断 + マーキングのずれ(±30°以内)を両方確認
追い締め禁止。共回りや回転異常があった場合は新品セットに取り替え

ボルトのネジ山とボルト長さ

  • 高力ボルトのネジ山突出:1山〜6山
  • アンカーボルト(ダブルナット)のネジ山突出:3山以上(混同注意!)
  • トルシア形M22の標準長さ:締付け長さ+35mm

フィラープレート

スプライスプレートとフランジの間に生じた肌隙(はだすき)が1mmを超える場合にフィラープレートを挿入します。フィラープレートは母材より強度の低い400N/mm²級で可。両面とも摩擦面処理を施します。

⑥ 建て方精度の管理許容差

注意: 鉄骨の縦入れ直し(垂直精度修正)にはターンバックル付き筋かいを使用してはならない。チェーン・レバーブロックまたはワイヤーを使用します。
管理項目 管理許容差
建物全体の倒れ H/4000+7mm以下 かつ 30mm以下
柱の倒れ h/1000以下 かつ 10mm以下
梁の水平精度 L/1000+3mm以下 かつ 10mm以下

⑦ スタッド溶接の管理

技能者の資格種別と作業範囲

資格 種別 作業可能範囲
AQ 基本級 φ22mm以下・下向きのみ
BQ 専門級 φ22mm以下(下向き)、φ16mm以下(横向き・上向き)
FQ 専門級(別種) φ25mm以下・下向きのみ
BQは「専門級」: 名称がBでも上位の資格です。横向き・上向き溶接が必要な場合はBQ以上が必要です。

スタッド溶接の管理許容差(限界許容差)

  • 仕上がり高さ:指定寸法の±2mm以内
  • 傾き:5°以内

打撃曲げ試験

実施タイミング 曲げ角度 本数
施工前(技能確認) 30° 2本以上
施工後(品質検査) 15° 100本・使用部材1本・1日施工数のうち最小値を1ロットとし1本
合格判定: 15°まで曲げて溶接部に割れ等の欠陥がなければ合格。合格ロットは曲がったまま受け入れOK。
不合格の場合は同一ロットからさらに2本検査。2本とも合格なら合格、1本でも不合格なら全数検査

⑧ デッキプレート・耐火被覆

焼抜き栓溶接の管理値

  • 溶接部の直径:18mm以上
  • 溶接のピッチ:600mm以下

耐火被覆(ロックウール吹付け)と工事現場溶接部の検査

  • 厚さ確認ピンは柱の一面に各1箇所以上。施工後も残置してよい
  • 工事現場での溶接部は(工場の抜取り10%と異なり)全数検査を行う

✅ 実力チェック|○×問題

各問題が正しければ○、誤りであれば×で答えてください。

【問1】鉄骨製品検査における柱の長さ(10m未満)の管理許容差は±5mmである。
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→ 製品検査(製作精度)における柱の長さ(10m未満)の管理許容差は±3mmです。±5mmは現場施工後の管理許容差です。

【問2】ベースモルタルの厚みは30mm以上50mm以内とし、養生期間は3日以上とする。
▶ 答えを見る

→ 正しい。モルタルの厚みは30mm以上50mm以内、養生期間は3日以上です。

【問3】鉄骨製品の寸法検査は1ロットの全数について実施しなければならない。
▶ 答えを見る

→ 製品の寸法検査は全数ではなく、1ロットから10%相当を抜き取って行います。工事現場での溶接部は全数検査です。

【問4】表面割れ(クラック)の補修は、割れの両端から50mm以上取り、船底型に仕上げてから補修溶接を行う。
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→ 正しい。表面割れは両端から50mm以上取り除き、船底型に仕上げてから補修溶接します(内部欠陥の20mmと混同しないこと)。

【問5】一般的な高力ボルト継手における仮ボルトは、ボルト1群に対して1/2程度かつ2本以上バランスよく配置する。
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→ 一般的な高力ボルト継手の仮ボルトは1/3程度かつ2本以上。1/2は高力ボルトと溶接の併用継手の場合です。

【問6】トルシア形高力ボルトM22の1次締め付けトルクは150N・m程度である。
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→ 正しい。M22の1次トルクは150N・m程度。溶融亜鉛めっきM20・M22共通も150N・mです。

【問7】トルシア形高力ボルトの締付け後に共回りや回転量に異常が見られた場合は、追い締めを行って対処する。
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→ トルシア形高力ボルトの追い締めは禁止。共回りや回転異常がある場合は新しいセットに取り替えます。

【問8】鉄骨の建て方における建物全体の倒れの管理許容差はH/4000+7mm以下かつ30mm以下である。
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→ 正しい。建物全体の倒れはH/4000+7mm以下かつ30mm以下。柱単体の倒れはh/1000以下かつ10mm以下です。

【問9】スタッド溶接作業者のBQ(専門級)はφ16mm以下なら横向き・上向き姿勢でも溶接できる。
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→ 正しい。BQ(専門級)はφ22mm以下の下向き、φ16mm以下の横向き・上向きが作業可能範囲です。

【問10】スタッド溶接の施工後の打撃曲げ試験では、15°まで曲げて欠陥がなければ合格とし、曲がったままで受け入れてよい。
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→ 正しい。施工後の打撃曲げ試験は15°で欠陥なしなら合格。曲がったままでOKです(施工前確認は30°)。

【問11】スプライスプレートとフランジの肌隙が1mm以下の場合もフィラープレートを挿入しなければならない。
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→ フィラープレートは肌隙が1mmを超える場合に挿入します。1mm以下であれば挿入不要です。

【問12】トルシア形高力ボルトM22のボルト標準長さは、締付け長さに35mmを加えたものを基準とする。
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→ 正しい。トルシア形はピンテール分15mmが加算されるため、一般の高力ボルト(20mm)より15mm多い35mmを加えます。

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