建築士試験サポ塾 / 施工 第13回
【Vol.049】【1級建築士・施工】鉄骨工事②を完全攻略|数値・検査・ボルト締付けの要点まとめ
Vol.049 / 施工 第13回 / 鉄骨工事②
鉄骨工事の第2回は「施工編」です。アンカーボルト・ベースプレートの設置寸法から、溶接欠陥の補修方法、高力ボルトの締付け手順、スタッド溶接の管理まで、試験に直結する数値が続々登場します。
数値は「現場でどんな意味をもつか」をイメージしながら覚えるのがコツ。現場監督になったつもりで読み進めてください。
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📋 この記事の内容
- 構造用アンカーボルトの位置精度と設置方法
- ベースモルタル・ベースプレートの規定
- 鉄骨製品検査の許容差と抜取り検査
- 溶接欠陥の種類と補修方法
- 仮ボルト・高力ボルトの締付け手順
- 建て方精度の管理許容差
- スタッド溶接の管理と試験方法
- デッキプレート・耐火被覆
① 構造用アンカーボルトの位置精度
管理許容差と限界許容差
アンカーボルトの通り心からの位置精度には2段階の許容差があります。
| 区分 | 許容差 | ポイント |
|---|---|---|
| 管理許容差 | ±3mm | 試験によく出る。まずこちらを覚える |
| 限界許容差 | ±5mm | 柱脚穴の余裕と対応(d+5mm) |
ベースプレートのボルト穴がアンカーボルト径+5mm(d+5mm)となっているため、それ以上ずれると穴に通らなくなります。
アンカーボルトの設置手順
コンクリートの側圧でアンカーボルトが流されやすいため、鉄筋の組立て前にアンカーフレームを固定し、ボルトをセットします。
- アンカーフレームで位置を固定 → アンカーボルトセット
- 鉄筋組立て(ボルトを避けながら)→ コンクリート打設
- ナットは二重締め(本締め+戻り止め)が原則
- ボルトは3山以上突出させる
② ベースモルタル・ベースプレート
後詰め中心塗り工法(ベースモルタル)
| 項目 | 規定値 |
|---|---|
| モルタルの厚み | 30mm以上50mm以内 |
| 養生期間 | 3日以上 |
| ベースプレートの厚み | アンカーボルト径の1.3倍以上 |
③ 鉄骨製品検査の許容差
抜取り検査
鉄骨製品検査は全数検査ではなく、1ロットの10%相当を抜き取って検査します。検査は錆止め塗装前に実施します。
製作精度の管理許容差(製品検査時)
| 項目 | 管理許容差 |
|---|---|
| 柱の長さ(10m未満) | ±3mm |
| 柱の長さ(10m以上) | ±4mm |
| 柱面の高さの差 | ±3〜4mm |
| 現場施工後の建方精度 | ±5mm |
④ 溶接欠陥の種類と補修方法
表面欠陥(外観で確認できるもの)
| 欠陥の種類 | 内容 | 補修方法 |
|---|---|---|
| アンダーカット | 溶着不足・へこみ | ショートビードにならないよう補修溶接 |
| オーバーラップ・余盛過大 | 溶着しすぎ | グラインダー削除 |
| ピット・クレーター | 表面のくぼみ・穴 | 欠陥部を削除してから補修溶接 |
| 表面割れ(クラック) | ひび割れ | 両端から50mm以上取り、船底型に仕上げてから補修溶接 |
内部欠陥(超音波探傷試験などで発見)
| 欠陥の種類 | 補修方法 |
|---|---|
| ブローホール・ピンホール | アークエアガウジングで欠陥端部より20mm程度除去→船底型→再溶接 |
| スラグの巻き込み | アークエアガウジング+端部より20mm除去→船底型→再溶接 |
| 溶け込み不良・融合不良 | アークエアガウジング+端部より20mm除去→船底型→再溶接 |
・表面割れ → 両端から50mm以上
・内部欠陥 → 欠陥端部より20mm程度除去して再溶接
なお、ラミネーション(板厚方向の内部層状欠陥)が構造部材で発見された場合は補修不可→部材交換となります。
⑤ 仮ボルト・高力ボルトの締付け
仮ボルトの本数
| 継手の種類 | 仮ボルト本数 |
|---|---|
| 一般的な高力ボルト継手 | ボルト1群に対し1/3程度かつ2本以上 |
| 高力ボルトと溶接の併用継手 | ボルト1群に対し1/2程度かつ2本以上 |
高力ボルトの締付け手順
1次締め → マーキング → 本締め の順で行います。締付けは中央部から周辺に向かって行います。
締付け方法と管理数値
| 工法 | 内容 | 管理値 |
|---|---|---|
| トルクコントロール法 | 締付けトルクで管理 | M22の1次トルク:150N・m程度 |
| ナット回転法 | ナット回転量で管理 | 基本120°回転(M12は60°) |
・ピンテールの破断 + マーキングのずれ(±30°以内)を両方確認
・追い締め禁止。共回りや回転異常があった場合は新品セットに取り替え
ボルトのネジ山とボルト長さ
- 高力ボルトのネジ山突出:1山〜6山
- アンカーボルト(ダブルナット)のネジ山突出:3山以上(混同注意!)
- トルシア形M22の標準長さ:締付け長さ+35mm
フィラープレート
スプライスプレートとフランジの間に生じた肌隙(はだすき)が1mmを超える場合にフィラープレートを挿入します。フィラープレートは母材より強度の低い400N/mm²級で可。両面とも摩擦面処理を施します。
⑥ 建て方精度の管理許容差
| 管理項目 | 管理許容差 |
|---|---|
| 建物全体の倒れ | H/4000+7mm以下 かつ 30mm以下 |
| 柱の倒れ | h/1000以下 かつ 10mm以下 |
| 梁の水平精度 | L/1000+3mm以下 かつ 10mm以下 |
⑦ スタッド溶接の管理
技能者の資格種別と作業範囲
| 資格 | 種別 | 作業可能範囲 |
|---|---|---|
| AQ | 基本級 | φ22mm以下・下向きのみ |
| BQ | 専門級 | φ22mm以下(下向き)、φ16mm以下(横向き・上向き) |
| FQ | 専門級(別種) | φ25mm以下・下向きのみ |
スタッド溶接の管理許容差(限界許容差)
- 仕上がり高さ:指定寸法の±2mm以内
- 傾き:5°以内
打撃曲げ試験
| 実施タイミング | 曲げ角度 | 本数 |
|---|---|---|
| 施工前(技能確認) | 30° | 2本以上 |
| 施工後(品質検査) | 15° | 100本・使用部材1本・1日施工数のうち最小値を1ロットとし1本 |
不合格の場合は同一ロットからさらに2本検査。2本とも合格なら合格、1本でも不合格なら全数検査。
⑧ デッキプレート・耐火被覆
焼抜き栓溶接の管理値
- 溶接部の直径:18mm以上
- 溶接のピッチ:600mm以下
耐火被覆(ロックウール吹付け)と工事現場溶接部の検査
- 厚さ確認ピンは柱の一面に各1箇所以上。施工後も残置してよい
- 工事現場での溶接部は(工場の抜取り10%と異なり)全数検査を行う
✅ 実力チェック|○×問題
各問題が正しければ○、誤りであれば×で答えてください。