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【Vol.047】【1級建築士・施工】コンクリート工事②を完全攻略|受入検査から養生・強度管理まで頻出数値を徹底整理

【Vol.047】【1級建築士・施工】コンクリート工事②を完全攻略|受入検査から養生・強度管理まで頻出数値を徹底整理

建築士試験サポ塾 / 施工 第11回

コンクリート工事②では「現場でのコンクリートの扱い方」が中心テーマです。受入れ検査(スランプ・空気量・塩化物)の許容差、打込み時間・打重ね時間の限度、締固めの挿入間隔、養生期間など、数値の引っかけが多発するエリアです。本記事で頻出数値を一気に整理し、確認問題で理解の定着まで行いましょう。

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1. 受入れ検査の流れ【まず基本を押さえる】

生コン工場からミキサー車で運ばれてきたコンクリートは、現場でそのまま打ち込む前に受入れ検査を行います。管理者が納品書(強度・スランプ・骨材最大寸法・運搬台数など記載)を確認し、以下の試験を現地で実施します。

  • スランプ試験(またはスランプフロー試験)
  • 空気量試験
  • 塩化物量試験
  • コンクリート温度測定
重要:現場では水セメント比(水結合材料比)を変えてはいけません。硬すぎる場合は流動化剤(AE減水剤など)を使用して柔らかくします。水を追加するとセメント比が変わり設計強度を確保できなくなります。

2. スランプ・スランプフローの許容差【3パターン全て覚える】

スランプ試験とは

高さ30cmのスランプコーンにコンクリートを詰め、静かに引き上げた時の下がり量(cm)を測ります。スランプの基準範囲は8cm以上21cm以下(特例で最大23cm)です。

条件 許容差 備考
スランプ 8〜18cm(通常) ±2.5cm 3cmだと次の規定値になるためプラスマイナス2.5が上限
スランプ 21cm ±1.5cm 柔らかいため許容差を小さく設定
スランプ 21cmかつ設計基準強度27N/mm²以上+高性能AE減水剤使用 ±2.0cm 最大スランプは21+2=23cm
引っかけ注意:スランプが21cmのとき許容差は±1.5cm(±2.5cmではない!)。スランプ24cmは絶対にアウト(スランプフローで管理する領域)。

スランプフロー試験

柔らかいコンクリート(高強度・高流動など)はスランプコーンが使えないため、横に広がった直径(cm)で流動性を管理します。スランプフローの目安は50〜70cm程度(平均60cm)です。

スランプフロー指定値 許容差
40・50・55cm ±7.5cm
60cm ±10cm(50〜70cmが合格)

3. 空気量の許容差【プラスマイナス1.5%を忘れずに】

普通コンクリートの空気量標準値は4.5%、許容差は±1.5%(3.0〜6.0%が合格)です。この許容差は普通・高強度・軽量コンクリートいずれも共通で±1.5%です。

スランプの許容差(±2.5cm)と空気量の許容差(±1.5%)を混同しないこと。
コンクリート温度:35℃以下(水密コンクリートは30℃以下
塩化物量:0.30kg/m³以下

4. 供試体(試験体)の採取方法【台数と個数が頻出】

圧縮強度試験用の供試体(直径10cm×高さ20cmの円柱)は採取する目的によって採り方が異なります。

目的 採取頻度 採取方法
受入れ検査 150m³ごとに1回 1台の運搬車から3個
普通コンクリートの強度検査 150m³ごとに1回 適切な間隔をあけた3台から各1個(計3個)
高強度コンクリートの強度検査 300m³ごとに1回 3台から各3個(計9個
引っかけ注意:「1台から3個」が許されるのは受入れ検査のみ。構造体の強度試験では必ず複数台(3台)から1個ずつ採取します。

5. コンクリートポンプ圧送【管径と先行モルタル】

輸送管の径

輸送管の径は骨材の最大寸法によって決まります。

骨材最大寸法 輸送管の径
20mm または 25mm 100A(内径約100mm)
40mm または 軽量骨材 125A

先行モルタル(富調合モルタル)

ポンプ圧送開始前に、配管内の潤滑を良くするために富調合のモルタル(セメント量が多いモルタル)を1回通します。この先行モルタルは先行水の影響を受けた部分を除き、原則として廃棄します(管理者が許可した場合のみ型枠内へ分散投入可)。

富調合・貧調合の覚え方:
富調合(砂に対してセメント量が多い)→ 強度・付着力↑ / ひび割れしやすい → 砂の粒度を大きくする
貧調合(砂に対してセメント量が少ない)→ ひび割れしにくい / 強度はやや低い

6. 打重ね時間・打込み時間の限度【混同注意!】

「打重ね」と「打込み」の意味の違いを正確に理解することが最重要です。

用語整理:
打重ね時間(コールドジョイント防止):先に打ったコンクリートが固まりきる前に次の層を打つまでの時間
打込み時間:生コン工場で練混ぜ開始してから打込み完了までの時間(現場との距離が重要)
区分 気温25℃以上 気温25℃未満
打重ね時間の限度(普通コンクリート) 120分以内 150分以内
打込み時間の限度(普通コンクリート) 90分以内 120分以内
打込み時間の限度(高強度コンクリート) 120分以内 120分以内
引っかけポイント:打込み時間に「150分」は存在しません(90分・120分の2択のみ)。「25℃以下だから150分」は完全に誤りです。

7. 打継ぎ位置【場所の原則】

水平打継ぎ部はスラブ天端または梁の天端が原則です。梁・床スラブの鉛直打継ぎ位置は、せん断力が最も小さくなるスパン中央部またはスパン端から1/4付近に設けます。

また、打継ぎ面のレイタンス(打設後に浮き上がる白いセメント成分)は高圧洗浄やワイヤーブラシで完全に除去してから次層を打ちます。

8. 締固め(バイブレーター)【60cm以下を暗記】

内部振動機(棒形振動機・バイブレーター)による締固めのルールです。

項目 規定値
挿入間隔 60cm以下(成人の肩幅程度)
1箇所あたりの加振時間 5〜15秒程度(セメントペーストが浮き上がるまで)
挿入方向 ほぼ垂直に挿入(横流しは材料分離の原因のため禁止)
実施タイミング 打込み各層ごとに実施
引っかけ注意:型枠振動機・木槌などを併用してもバイブレーターの挿入間隔は変わりません。「80cm程度」は誤りです。

9. プラスチック収縮ひび割れ・乾燥収縮【対策と注意点】

プラスチック収縮ひび割れとは、打込み直後・硬化前にコンクリート表面が急激に乾燥収縮して生じるひび割れです。

発生した場合の処置:コンクリート打込み完了前に速やかにタンピングで修復する(完了後では遅い!)

乾燥収縮対策:ワーカビリティを保てる範囲で粗骨材の最大寸法をできるだけ大きくする(骨材が大きいほど表面積が小さく水分蒸発が少ない)

10. 養生【温度と日数の数値を確実に】

寒中コンクリートの養生

打込み後5日間以上はコンクリートの温度を2℃以上に保つ必要があります。早強ポルトランドセメントを使用した場合は3日間以上に短縮できます。

湿潤養生期間の基準

セメントの種類 短期・標準 長期・超長期
普通ポルトランドセメント 5日以上 7日以上
高炉・フライアッシュセメント(混合系) 7日以上 10日以上

11. 強度の種類と養生方法【調合管理強度が核心】

各強度の関係

品質基準強度(Fq)= 設計基準強度(Fc)と耐久設計基準強度(Fd)の大きい方
調合管理強度(Fm)= 品質基準強度(Fq)+ 構造体強度補正値(mSn)
※構造体強度補正値:標準+3N/mm²、暑中コンクリートや寒中(8℃未満/13℃未満)では+6N/mm²

養生方法の3種類

養生方法 特徴 主な使用目的
標準水中養生 温度20±2℃の水槽内で管理 調合管理強度の判定(材齢28日
現場水中養生 現場の気温変化を反映した水中保管 型枠取外し時期の強度確認など
現場封かん養生 ポリ袋等に封入し直射日光・風を遮断 寒中時の91日以内試験など
受入れ検査の圧縮強度合否判定基準:
① 1回の試験結果 ≧ 調合管理強度の85%
② 3回の試験結果の平均値 ≧ 調合管理強度(設計基準強度ではない!)

12. 中性化・ヤング係数・乾燥収縮との関係

性質 圧縮強度が高いと…
中性化速度 小さくなる(セメントが密でアルカリ成分が多く中性化しにくい)
ヤング係数 大きくなる(剛性が高い)
乾燥収縮ひずみ 単位結合材料量が多いほど大きくなる(水分も増えるため)

また、部材の体表面積比(体積÷表面積)が小さいほど乾燥収縮ひずみが大きくなります。表面積が大きいほど水分蒸発量が増えるためです。

確認テスト12問|コンクリート工事②

各問題の「▶ 答えを見る」を押して正誤と解説を確認しましょう。

Q1. 生コン工場から運ばれたコンクリートが硬すぎた場合、現場で水を加えて水セメント比を調整してよい。
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→ 現場で水セメント比(水結合材料比)を変えることは禁止。設計で要求した強度が確保できなくなるため。硬すぎる場合はAE減水剤などの流動化剤を使用する。

Q2. スランプの指定値が21cmの場合、許容差はプラスマイナス2.5cmである。
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→ スランプ21cmの許容差は±1.5cm(19.5〜22.5cmが合格)。ただし設計基準強度27N/mm²以上かつ高性能AE減水剤使用時は±2.0cm(最大23cm)まで許容。

Q3. スランプフローの指定値が60cmの場合、許容差はプラスマイナス7.5cmである。
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→ スランプフロー60cmの許容差は±10cm(50〜70cmが合格)。±7.5cmはスランプフロー40・50・55cmのときに適用される。

Q4. 空気量の規定値が4.5%の場合、許容差はプラスマイナス2.5%であるため、2.0〜7.0%が合格となる。
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→ 空気量の許容差は±1.5%(3.0〜6.0%が合格)。±2.5%はスランプの許容差。2つの数値を混同しないこと。

Q5. 受入れ検査の圧縮強度試験では、1台の運搬車から3個の供試体を採取してよい。
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→ 受入れ検査の場合のみ1台から3個採取できる。ただし構造体コンクリートの強度検査では「適切な間隔をあけた3台からそれぞれ1個ずつ(計3個)」とする。

Q6. 骨材最大寸法が25mmの場合、コンクリートポンプの輸送管径は125Aとする。
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→ 骨材最大寸法が20または25mmの場合は輸送管径100A。125Aは骨材最大寸法が40mmまたは軽量骨材の場合に用いる。

Q7. 外気温が25℃を超えている場合、打重ね時間の限度は150分以内とした。
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→ 打重ね時間の限度は25℃以上で120分以内。150分以内は気温25℃未満の場合。超えているか未満かで逆になるため混同注意。

Q8. 外気温が25℃以下の日に打込みを行うため、練混ぜから打込み完了までの時間の限度を150分とした。
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→ 「打込み時間」(練混ぜ〜打込み完了)に150分という規定はない。25℃以下では120分以内、25℃を超えると90分以内が正しい。150分は打重ね時間(25℃未満)の規定。

Q9. 内部振動機を型枠振動機と併用したので、内部振動機の挿入間隔を80cmとした。
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→ 内部振動機の挿入間隔は他の方法と併用しても60cm以下が原則(成人の肩幅程度)。併用の有無は挿入間隔の緩和要件にならない。

Q10. プラスチック収縮ひび割れが発生したため、コンクリートの打込み完了後にタンピングを行って修復した。
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→ プラスチック収縮ひび割れへの対処は「打込み完了前」に速やかにタンピングする。完了後では硬化が進み修復効果が得られない。

Q11. 受入れ検査の圧縮強度試験の合否判定では、3回の試験結果の平均値が設計基準強度以上であれば合格である。
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→ 3回の試験結果の平均値は「調合管理強度(Fm)以上」が必要。設計基準強度ではない。調合管理強度=品質基準強度+構造体強度補正値であり、設計基準強度よりも高い値になる。

Q12. コンクリートの圧縮強度が高いほど、中性化速度係数は大きくなる。
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→ 逆。圧縮強度が高い(セメントが密でアルカリ成分が豊富)ほど中性化速度係数は小さくなる(中性化しにくい)。中性化が進むと鉄筋が錆びる原因となる。

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