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【Vol.044】【1級建築士・施工】型枠工事を完全攻略|数値・存置期間・構造計算まで徹底解説

建築士試験サポ塾 / 施工 第8回

【Vol.044】【1級建築士・施工】型枠工事を完全攻略|数値・存置期間・構造計算まで徹底解説

公開日:2025年 / 施工シリーズ Vol.044

1級建築士試験の施工科目で頻出の「型枠工事」。セパレーター・フォームタイの仕組みから、数値の丸暗記が必須な存置期間・荷重計算・支柱組立てのルールまで、講義動画のポイントをすべて記事でおさらいします。過去問ベースの練習問題(12問)付きです。

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目次

  1. 型枠の構成と各部の名称
  2. 堰板(合板)の規格・取り扱い
  3. スリーブの種類と使い分け
  4. セパレーターの種類とコーン穴処理
  5. 型枠の構造計算(鉛直荷重・水平荷重・側圧)
  6. 支柱組立てのルール(パイプサポート・枠組足場)
  7. デッキプレート(合成デッキ・フラットデッキ)
  8. 堰板の存置期間(圧縮強度・日数)
  9. 支柱・支保の存置期間
  10. 確認問題 12問チェック

1. 型枠の構成と各部の名称

型枠の断面をイメージすると理解が深まります。中心がコンクリート、その両面に堰板(合板・コンパネ)が当たります。堰板同士の間隔を保つのがセパレーター(棒状の金物)で、外側に向かってフォームタイが伸び、縦端太(約 30 cm ピッチ)・横端太(セパレーターピッチ:45〜60 cm程度)を楔び金物で固定する構造です。

【各部まとめ】
・セパレーター:堰板間の内寸を保持する棒状金物
・フォームタイ:セパレーターと連結し型枠を締め付ける金物
・縦端太:堰板の外側に当てる縦方向の補強(約 30 cm ピッチ)
・横端太:縦端太の外側に当てる横方向の補強(セパレーターピッチ 45〜60 cm
・楔び金物:横端太を固定する締め付け金物(締め過ぎ NG)

2. 堰板(合板)の規格・取り扱い

保管上の注意

コンクリート型枠用合板は直射日光に当てないようにシートで覆う。紫外線でパリパリになったり、塗料が傷んだりするため。

厚さの基準

条件 最低厚さ 備考
支保がない場合(通常) 12 mm 以上 JAS コンクリート型枠用合板 表面加工品 BC 品以上
転用品(コンパネ JAS 第5条) 12 mm 以上 表面グレード B 以上・裏面 C 以上(BC 品)
合板グレード(JAS):表裏でグレードを組み合わせ。A〜D の 10 段階。型枠には表面 B・裏面 C(BC 品)が最低ライン。コンクリート面に当てる面が表面(グレードの高い方)になる。

ヤング係数

コンクリート型枠用合板の曲げヤング係数は、湿潤状態より乾燥状態の方が大きい(=硬い)

3. スリーブの種類と使い分け

使用箇所 スリーブの種類
外壁地中部等、水密を要する部分 つば付きスリーブ(水の浸入を防ぐため)
水密を要しない部分 硬質ポリ塩化ビニル管(塩ビ管)でよい
壁枠の配管用スリーブのうち、
①開口補強が不要、かつ
②スリーブの径が 200 mm 以下
紙製チューブでよい(両条件を満たす場合のみ)

4. セパレーターの種類とコーン穴処理

セパレーターには B 型・C 型・カップセパ(パットセパ)などがある。打ち放し仕上げ(アンドウ仕上げ)のときは B 型セパレーターを使用する。

B 型セパレーターのコーン穴処理(防水下地面)

型枠解体後に残るコーン穴は、水量の少ない硬練りモルタルでコンクリート面と同一になるよう充填されていることを確認する。残った金具部分には錆止め塗装を行う場合もある。

5. 型枠の構造計算

型枠の高さが 3.5 m を超える場合、労働基準監督署への型枠支保設置届が必要(構造計算書添付)。

(1)型枠支保材の許容曲げ圧縮応力度

過去問頻出の鉄板文言:
「使用する鋼材(支柱材)の許容曲げ圧縮応力度の値は、当該材の降伏強さの値または引張り強さの値の 3/4 の値のうちいずれか小さい値の、さらに 2/3 の値とする。」

例)降伏強さ 240 N/mm²・引張り強さ 400 N/mm² の場合
① 240 N/mm²
② 400 × 3/4 = 300 N/mm²
①② の小さい方 → 240 N/mm²
許容曲げ圧縮応力度 = 240 × 2/3 = 160 N/mm²

(2)鉛直荷重(設計荷重)

荷重の種類 内容・数値
固定荷重 鉄筋コンクリートの単位体積重量 24 kN/m³ × コンクリート厚さ + 型枠重量 0.4 kN/m²
積載荷重(施工時) ポンプ使用時:1.5 kN/m²
鉛直荷重(設計荷重) 固定荷重 + 積載荷重(作業荷重+衝撃荷重)

(3)水平荷重

支柱の種類 水平荷重(鉛直荷重に対する割合)
枠組足場(コマ枠) 2.5 %
枠組足場以外(パイプサポート・単管など) 5 %

※ 地震力についての検討は不要。

(4)コンクリートの側圧

フレッシュコンクリートの単位体積重量(無筋 23 kN/m³、鉄筋 RC 24 kN/m³)× 打ち込み高さ。高さが高いほど側圧は大きくなる。また、コンクリートの温度・気温が高いほど側圧は減少する(2022年 JIS A 5 改定により、打ち込み速さに関わらず柱・壁の側圧は同じ値とできる)。

6. 支柱組立てのルール(パイプサポート・枠組足場)

項目 ルール
パイプサポートの継ぎ数 3 本以上の継ぎは禁止(2本まで可)
2 本継ぎのとき 継ぎ手部分に 4 本以上のボルトまたは専用金具を使用
高さが 3.5 m を超えるパイプサポート 高さ 2 m 以内ごとに水平つなぎを 2 方向設ける
枠組足場の支柱(コマ枠) 高さ 2 m 以内ごとに水平つなぎを 2 方向設ける
組立て鋼製支柱の高さが 4 m を超えるとき 高さ 4 m 以内ごとに水平つなぎを 2 方向設ける
水平つなぎとパイプサポートの緊結 根がらみクランプ等の専用金具を使用(番線くくりは NG)
支柱の固定先 外部足場・やり方等の仮設物への固定は禁止(側圧で動くため)
【暗記ポイント:高さと水平つなぎの間隔】
・パイプサポート・枠組足場 → 3.5 m 超えたら 2 m 以内ごと
・組立て鋼製支柱 → 4 m 超えたら 4 m 以内ごと

7. デッキプレート(合成デッキ・フラットデッキ)

種類 形状の特徴
合成デッキ 山・谷の波型断面。エンドクローズ部分=端部で厚みが薄くなり始める部分
フラットデッキ 上面フラット・下部が凹形。エンドクローズ部分=急に厚さが薄くなる斜め部分を含む範囲

重要数値

項目 数値
かかり(鉄骨梁への乗り代) 50 mm 以上
オフセット寸法(エンドクローズ薄肉部分の長さ) 40 mm 以下
RC造・エンドクローズ部分への飲み込み(落下防止金物不使用時) 10 mm 程度(爪部分)
フラットデッキのキャンバー 施工荷重によるたわみを考慮して上向きのキャンバー(むくり)をあらかじめ付けてある

8. 堰板の存置期間

圧縮強度による方法か、日数による方法のいずれかを満たせばよい。

(1)圧縮強度による場合(垂直部分:基礎・梁側面・柱・壁)

コンクリートの種類 計画供用期間の級 養生あり 養生なし
普通コンクリート 短期・標準 5 N/mm² 以上 10 N/mm² 以上
普通コンクリート 長期 10 N/mm² 以上 10 N/mm² 以上
高強度コンクリート 10 N/mm² 以上 15 N/mm² 以上
暗記の鍵:「養生しない場合は + 5 N/mm²」。問題文に「せき板の取り外し後に養生を行わない」とあれば圧縮強度が5アップする。

(2)圧縮強度による場合(水平部分:梁下・スラブ下)

規定 条件
公共標準仕様書 設計基準強度の 50 % 以上(ただし支保の盛替えを行わずに取り外す場合に限る)
JASS 5 設計基準強度の 100 % 以上

(3)日数による場合(JASS 5・垂直部分)

気温 普通ポルトランドセメント 高炉・シリカ・フライアッシュ B 種
20 °C 以上 4 日 5 日
10 °C 以上 20 °C 未満 6 日 8 日
10 °C 未満 日数規定なし → 寒中コンクリートの施工管理を行う

※ 早強ポルトランドセメントは日数を短縮できる(概ね半分)。水平部分(梁下・スラブ下)の日数規定は JASS 5 にはない。

(4)公共標準仕様書:スラブ下・梁下支柱の存置日数

平均気温 スラブ下支柱 梁下支柱
0 °C 以上 17 日 28 日
5 °C 以上 25 日 28 日
15 °C 以上 (規定より短縮可) 28 日

※ 梁下支柱は気温に関わらず 28 日。過去問(平均気温 12°C でスラブ下支柱 25 日)はここから出題。

9. 支柱・支保の存置期間(梁下・スラブ下)

梁下・スラブ下の支柱は圧縮強度による方法か日数による方法のいずれかを満たせばよい。

圧縮強度による場合

箇所 必要圧縮強度 設計基準強度比
スラブ下 12 N/mm² 以上(軽量骨材使用時 9 N/mm²)、かつ構造計算による安全確認 または設計基準強度の 85 % 以上
梁下 設計基準強度の 100 % 以上

材齢 28 日以前に取り外す場合の供試体養生方法

供試体の養生方法 必要強度の基準
現場水中養生 または 現場封かん養生 設計基準強度以上
標準養生(20 °C 水中養生) 設計基準強度+補正値(α)以上

確認問題 12問チェック

各問題の答えを見て、理解度を確認しましょう。

Q1. 堰板に用いる木材は、コンクリート表面の効果不良を防止するため、直射日光に当てて乾燥させることが推奨される。
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X

→ 直射日光にさらさないようにシートで覆う。紫外線で合板の塗料が劣化するため。

Q2. 支保のない場合の堰板に用いる合板の厚さは、最低 9 mm 以上でよい。
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X

→ 最低 12 mm 以上。9 mm は不足。

Q3. 外壁の地中部分(水密を要する箇所)の型枠貫通スリーブには、硬質ポリ塩化ビニル管を使用した。
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X

→ 水密を要する部分にはつば付きスリーブを使用する。塩ビ管は水密が不要な箇所に適用。

Q4. 型枠支保材の許容曲げ圧縮応力度は、降伏強さと引張り強さの 3/4 のうち大きい方の 2/3 の値とする。
▶ 答えを見る
X

→ 「いずれか小さい値の 2/3」が正しい。大きい方ではなく小さい方を採用する(安全側)。

Q5. 高さが 3.5 m を超えるパイプサポートを用いる場合、高さ 3.5 m 以内ごとに水平つなぎを 2 方向に設けた。
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X

2 m 以内ごと(3.5 m ではない)に 2 方向の水平つなぎを設ける。

Q6. 計画供用期間の級が標準の建築物で、せき板取り外し後に養生を行わない柱・壁については、コンクリートの圧縮強度が 5 N/mm² に達したことを確認したので、養生期間終了前に堰板を取り外した。
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X

→ 養生を行わない場合は 10 N/mm² 以上が必要。5 N/mm² は養生を行う場合の基準。

Q7. パラペットのコンクリートとスラブを一体打ちする際、パラペットの型枠が動かないよう外部足場に固定した。
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X

→ 型枠を外部足場・やり方等の仮設物に固定してはならない。側圧を受けて仮設物が動くおそれがある。

Q8. コンクリートの打放し仕上げに使用する堰板(合板)で、支保がなかったため厚さ 9 mm のものを使用した。
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X

→ コンクリート型枠用合板は最低 12 mm 以上必要。9 mm は不足。

Q9. 柱・壁の堰板の存置期間を日数で決定する施工計画において、平均気温が 10°C 以上 15°C 未満と予想されたので、普通ポルトランドセメント使用のコンクリートについては堰板の存置を 3 日とした(JASS 5 による)。
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X

→ 10°C 以上の場合は 6 日が必要(JASS 5)。3 日は短すぎる。

Q10. コンクリートの材齢 28 日以前に梁下の支柱を取り外すため、標準養生した供試体の圧縮強度が設計基準強度以上であることを確認した。
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X

→ 標準養生の場合は設計基準強度+補正値(alpha)以上が必要。現場水中・封かん養生なら設計基準強度でよい。

Q11. 片持ちスラブを除くスラブ下の支柱の取り外しにあたり、コンクリートの圧縮強度が 12 N/mm² 以上であり、かつ構造計算により安全であることを確認したので取り外した。
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O

→ 正しい。スラブ下支柱の取り外し基準:圧縮強度 12 N/mm² 以上、かつ構造計算による安全確認の両方を満たせば可。

Q12. 高さ 3.5 m の支柱において、2 本のパイプサポートを継いで使用するとき、継ぎ手部分を 2 本のボルトで緊結した。
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X

→ 2 本継ぎの場合は4 本以上のボルトまたは専用金具が必要(R7 本試験出題)。2 本では不足。

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