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【Vol.041】【1級建築士・計画】積算・見積を完全攻略|工事費構成から欠除基準まで徹底整理

【Vol.041】【1級建築士・計画】積算・見積を完全攻略|工事費構成から欠除基準まで徹底整理

建築士試験サポ塾|第17回 計画科目  /  2026年6月13日

1級建築士学科「計画」科目のラスト2回のうちの1回。試験まで残り1か月半というこの時期に必須の「積算・見積」分野を丸ごと整理します。工事費の構成フローチャート、部がかり・値入れなどの用語定義、設計数量・所要数量・計画数量の違い、材料ごとの割増し率、そして欠除の基準値(0.5㎡0.1㎡)まで、講義動画の内容を凝縮してお届けします。

本記事は下記の講義動画と連動しています。あわせてご活用ください。

▶ 講義動画を視聴する(YouTube)

工事費の構成を「3兄弟」で完全制覇

工事費の大枠:工事価格と消費税

建築工事費は工事費(工事価格+消費税)から始まります。出発点は「工事費」であり、その下に「工事価格」が来ることに注意しましょう。

【語呂合わせ:工事価格3兄弟】
長男=原市(げんし)→ 一般管理費(「イカ」)を手に持ったキャラクター
次男=順次(じゅんじ)→ 現場管理費(「ゲカ」)を持つ頭の良い医者
三男=直造(ちょくぞう)→ 共通仮設費(「強化」)を持つボディビルダー

工事費の階層構造

レベル 費用名称 内容・含まれるもの
最上位 工事費 工事価格+消費税
工事価格 工事原価 準工事費+一般管理費
工事原価 準工事費 直接工事費+共通仮設費
工事原価 一般管理費 会社の光熱費・給料・福利厚生など会社運営費用
準工事費 直接工事費 材料費・労務費・加工費・運搬費・直接仮設費など
準工事費 共通仮設費 現場事務所・仮囲い・仮設水道・仮設便所など全員共用
まとめ① 諸経費 現場管理費+一般管理費
まとめ② 共通費 共通仮設費+諸経費(現場管理費+一般管理費)
【試験頻出の引っかけ】
「工事における工事原価とは準工事費と一般管理費を合わせたものである」→ 正しい
「工事における共通費とは共通仮設費・現場管理費・一般管理費を合わせたものである」→ 正しい
「準工事費は直接工事費と共通仮設費を合わせたものである」→ 正しい
「工事費における工事は準工事費と一般管理費を合わせたものである」→ 誤り(工事費と工事原価の組み合わせ混同に注意)

直接仮設費と共通仮設費の違い

直接仮設費:足場・やり方など、複数の工事種目に共通して使用する仮設。塗装業者も外壁業者も電気屋も使う足場がその典型例です。

共通仮設費:現場事務所・仮設電気・仮設水道・仮設便所など、現場全体で共用するもの。設計図面には表れないため、仮設図を別途作成して積み上げ計算を行います。

積算用語の定義を正確に押さえる

部がかり(ぶがかり)

単位工事の施工に必要な数量のこと。材料の数量を材料歩がかり、労務の数量を労務歩がかり、機械の台数を機械歩がかりと呼びます。例:コンクリート打設において「作業員1日あたり0.3人」のように表します。

値入れ(ねいれ)

数量積算で算出した面積・長さ等に、単位あたりの単価を掛けて金額を求めること。例:ビニルクロスは「㎡あたりいくら」、コーキングは「mあたりいくら」。

複合単価

材料費と労務費を合計した単価。材料と手間込みで一式いくら、という見せ方をする場合に使われます。

木取り(きどり)

規格長さの木材から、1本または複数の部材を引き出すこと。木の切り方によって木目の方向が変わります(まさ目・板目など)。

数量の区分:設計数量・所要数量・計画数量

区分 定義 主な対象
設計数量 設計図書に表示された個数・長さ・設計寸法から算出する数量。割増しを含まない。 コンクリート・塗装・仕上げ面積・鉄筋や鉄骨の加工組立数量など大部分の施工数量
所要数量 定尺寸法による切り無駄・手間・目つぶし損を含んだ数量。設計数量×割増し率で算出する場合も。 鉄筋・鉄骨・木材など規格材料
計画数量 設計図書に表示されない、施工計画に基づく数量。 足場・根切り・残土処分など
【重要】木材・仕上げの所要数量の例
木材による開口部枠の所要数量:内のり寸法による長さに両端の切合のため10%加えた長さ × 断面積 × 5%割増し体積
木材による間仕切り下地材料の所要数量:設計寸法の長さをm単位に切り上げ、断面積との体積に5%割増し

材料別・割増し率一覧(暗記必須)

材料 割増し率 備考
鉄筋 4% 設計数量×1.04
鉄骨(形鋼・溝形鋼・平鋼) 5% 口材(形鋼類)の標準値
鉄骨(箱形断面材) 3%
鉄骨用ボルト(アンカーボルト) 0%(割増しなし) 本数が明確なため
鉄骨用ボルト(その他) 4% 仮組みなどで消費するため
シート防水のシート 割増しなし 重ねしろは計測対象外
木材(仕上げ用途) 5% 体積に対して割増し
【よく出る引っかけ】鉄筋の割増し率は5%ではなく4%
シート防水のシートの重ねしろは計測対象としません(5%割増しとする出題は誤り)。

鉄筋の積算:継手・帯筋・フープの計算ルール

継手の箇所数

重ね継手または溶接継手について本数は設計図によるほか、次のルールで計算します。

13mm 以下の鉄筋6m ごとに継手が1箇所あるものとして箇所数を算出
16mm 以上の鉄筋7m ごとに継手が1箇所あるものとして箇所数を算出
径の異なる鉄筋の継手:設計による継手とする

帯筋(フープ)・スターラップの長さ

フープ・帯筋・スターラップの長さは、柱または梁のコンクリート断面の外形寸法による集長とします。実際にはかぶり厚みがあり短くなりますが、計算上はコンクリート断面寸法をそのまま使用します。

例:断面 600mm × 600mm の柱 → 帯筋1本の長さ=600 × 4 = 2,400mm

帯筋・スターラップの割り付け本数

(打ち込み長さ ÷ ピッチ)の小数点以下を切り上げ、さらに+1本とする。

例:内法寸法 5,600mm ÷ ピッチ 150mm37.33… → 切り上げて3838 + 1 = 39本

鉄骨の溶接・錆止め塗装

隅肉溶接・突き合わせ溶接の種類に区分し、溶接断面形状ごとに長さを算出します。突き合わせ溶接の数量は隅肉溶接の脚長 6mm に換算して延べ長さで計上します。

錆止め塗装の数量は鉄骨部材表面の面積とし、ボルト・切断面・孔などの細部の欠除は計測対象としません。

コンクリート・土工の積算ルール

鉄骨によるコンクリート体積の欠除換算

鉄骨鉄筋コンクリート造において、鉄骨によるコンクリートの欠除は鉄骨の設計数量(重量)に対して 7.85t を 1㎥ として換算した体積 とします。

スラブのコンクリート数量

鉄筋コンクリート造の床板(スラブ)のコンクリート数量は、設計寸法による板厚 × 梁などに接する内のり面積 による体積とします。「外のり」ではなく「内のり」がポイントです。

型枠数量(傾斜がある場合)

斜面の勾配が 1/3 を超える 場合、コンクリートが流れ落ちるため上面にも蓋型枠が必要となります。上面型枠または上面のコンクリート処理面積も計測計算の対象に含めます。

土工:根切り・土量のルール

項目 ルール
山留め壁を使用する場合の余幅 根切り深さに関わらず 1m を標準とする
法付け工法の作業上の余取り幅 根切り深さに関わらず 0.5m を標準とする
法付け工法の全余幅 余取り幅(0.5m)+法の乗り幅(深さ × 1/2
根切りの土量(余長部分) 根切り両端の余長部分の土量は差し引かない
土砂車両(残土処分)の数量 地山の数量とする(掘削による増加・締め固めによる減少は考慮しない)

欠除の基準値:0.5㎡ vs 0.1㎡

積算で欠除を計算しない(差し引かない)基準値は 0.5㎡0.1㎡ の2種類があります。どの場合にどちらが適用されるかが試験頻出です。

欠除の対象 基準値
開口部によるコンクリートの欠除(窓・扉など) 1箇所あたり 0.5㎡ 以下 → 欠除なし
間仕切り下地の開口部面積 1箇所あたり 0.5㎡ 以下 → 欠除なし
屋外施設の舗装類における排水マスなど 1箇所あたり 0.5㎡ 以下 → 欠除なし
ダクト孔による口材(鉄骨)の欠除 1箇所あたり 0.1㎡ 以下 → 欠除なし
積材(石材)による仕上げの開口部欠除 1箇所あたり 0.1㎡ 以下 → 欠除なし
ガラスのかまち幅が 0.1m を超える場合 その面積を差し引いた面積とする
仕上げ工事の仕上げ凹凸 0.05m(5cm)以下 → 凹凸のない仕上げとして計算
【混同注意】 ダクト孔と積材(石材)は 0.1㎡。コンクリート・間仕切り・舗装は 0.5㎡。数字を逆に覚えないよう注意しましょう。

計測計算の対象としない項目まとめ

次の項目は積算時に計測計算の対象としません(欠除扱いしない)
・ボルト孔・スカラップ・柱梁仕口クリアランスなどによる口材の欠除
・ガースラブと柱梁の取り合い部分の斜め切り欠除
・鉄骨:ボルト・切断面・孔などの錆止め面積
・防水層:衛生器具・配管周囲の欠除および処理部分
・シート防水:シートの重ねしろ
・ガス圧接による鉄筋の長さの縮み

コンクリート区体の計測・先優先ルール

ラーメン構造のコンクリート区体は、積算一般では基礎・柱・板・壁・階段・その他の各部分に区分します。接続部の扱いは「先の部分に後の部分が接続する」原則で計測します(先優先ルール)。


実力確認チェック12問

所要数量とは、仮設工事などにおける設計図書に基づいた施工計画による数量のことである。
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×

解説:これは「計画数量」の定義です。所要数量は定尺寸法による切り無駄・手間損を含んだ数量を指します。
防水層などの所要数量において、シート防水のシートの重ねしろは計測する量に5%の割増しをすることを標準とする。
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×

解説:シート防水のシートの重ねしろは計測対象外であり、割増しはしません。
鉄骨の数量において、1箇所あたり0.5㎡以下のダクト孔による口材の欠除についてはないものとして計測計算する。
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×

解説:ダクト孔の基準は0.5㎡ではなく0.1㎡以下です。
鉄筋の所要数量は、その設計数量の5%割増しとする。
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×

解説:鉄筋の割増し率は5%ではなく4%です。
工事費における工事費は、準工事費と一般管理費を合わせたものである。
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×

解説:「工事費」は工事価格+消費税です。準工事費+一般管理費は「工事原価」です。工事費と工事原価の混同に注意しましょう。
仮設における直接仮設とは、工事種目ごとの工事科目で単独に使用する仮設をいう。
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×

解説:直接仮設は「単独」ではなく「複数の工事種目に共通して使用する」仮設です(足場・やり方など)。
鉄筋コンクリート造の床板(スラブ)におけるコンクリートの数量は、設計寸法による板厚と梁などに接する内のり面積との体積とする。
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解説:スラブのコンクリート体積は「内のり面積×板厚」です。外のりではなく内のりが正解です。
13mm以下の鉄筋は6mごとに、径16mm以上の鉄筋は7mごとに継手が1箇所あるものとして継手の箇所数を求める。
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解説:鉄筋の継手計算の基本ルール。13mm→6m、16mm→7m を確実に覚えましょう。
鉄骨鉄筋コンクリート造における鉄骨によるコンクリートの欠除は、鉄骨の設計数量について7.85tを1㎥として換算した体積とする。
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解説:数値「7.85」は暗記必須。試験では異なる数字で引っかけてくることがあります。
山留め壁を選択する場合の余幅は、根切り深さに関わらず1mが標準である。
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解説:法付け工法の余取り幅(0.5m)と混同しないよう注意。山留め壁→1m、法付け作業余取り→0.5mです。
屋外施設における舗装類の数量計算において、排水マスなどの面積が1箇所あたり0.5㎡以下の時は欠除なしとして計算してよい。
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解説:舗装の欠除は0.5㎡基準。ダクト孔(0.1㎡)・積材(0.1㎡)と混同しないようにしましょう。
仕上げ工事における仕上げの凹凸が0.05m以下のものについては凹凸のない仕上げとして計測計算する。
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解説:0.05m=5cmが基準。微細な凹凸は計算に含めない、という割り切りルールです。

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