ご質問ありがとうございます。
理由は、最寄階が安全とは限らないからです。
まず「ピット冠水」とは、エレベーターの一番下には、ピットというくぼみがあります。
ここに水が入ると、次のような危険があります。
→ピット内の機器が水に浸かる
→電気系統が故障する
→かごが下がって水のある場所に近づく
→最下階付近で停止すると、さらに危険になる
つまり、ピット冠水時は、エレベーターをできるだけ水から遠ざけたいという考えになります。
「待避階停止とは」
これは、あらかじめ決められた安全な階にエレベーターを移動させて止める運転です。
ピット冠水時の場合は、一般に、冠水のおそれがある下部階を避けた階に停止させます。
つまり、最寄階ではなく、水の影響を受けにくい安全な階へ逃がすという考えです。
「なぜ最寄階ではだめなのか」
たとえば、かごが1階付近にいたとします。
このとき「最寄階停止」にすると、1階に止まる可能性があります。
でも、ピットが冠水しているということは、1階や地下階付近も水の影響を受ける可能性が高いです。
そのため、1階に止めると、
→かごや機器が水に近い
→その後、故障・感電・閉じ込めのリスクが高い
→地下階がある場合、地下側に行くとさらに危険
ということがあります。
だからピット冠水時は、単に近い階ではなく、水害時に安全と考えられる待避階まで移動させて停止するわけです。