仮設工事で出題される「外部足場」の構成と数値基準は、1級建築士試験の施工科目における重要な得点源です。この単元の基準数値は、「仮設工業会」や「労働安全衛生規則」などで細かく規定されており、受験生が混同しやすいポイントです。試験で問われるポイントを整理し、確実に得点できる状態に仕上げていきましょう。
1. 足場の「幅木」の高さ:目的で数値が変わる
足場の作業床に設ける「幅木」には、明確な目的の違いによって2つの高さの基準が存在します。
高さ10cm以上
高さ15cm以上
試験では「墜落防止として10cmの幅木を設けた」といった誤りの選択肢が出題されます。10cmの段差で人がつまずいた場合、体が引っかからずに転落する危険性が高いとイメージしてください。人の体を止めるためには、頭や腕が引っかかりやすい15cmの高さが不可欠です。目的と数値をセットで記憶します。
2. 強度計算の基本:荷重の方向と支持部材
高さ10m以上の足場を60日以上設置する場合、労働基準監督署へ設置届を提出します。この際に提出する強度計算において、どの部材がどの方向の荷重を支えているのかを正確に理解してください。
(足場の自重や積載荷重):建枠(縦枠)で支持する
(風荷重など):壁つなぎで支持する
足場の「ジャッキ」ではなく「建枠」が鉛直荷重を負担し、足場の倒壊を防ぐ水平力は「壁つなぎ」が負担します。ここを逆にして出題されるケースに注意してください。
3. よくある間違いを防ぐ!「壁つなぎの間隔」の必勝暗記法
足場の倒壊を防ぐ「壁つなぎ」の設置間隔は、足場の種類によって異なります。単管足場よりも、枠組足場の方が頑丈であるため、間隔を広く取ることができます。
数値は以下の通りです。
垂直方向 9m以下、水平方向 8m以下
垂直方向 5m以下、水平方向 5.5m以下
【得点のコツ・判断基準】
本試験では「水平方向9m、垂直方向8mとした」のように、垂直と水平の順序を逆にして引っ掛ける問題が頻出します。
これを防ぐために、以下の語呂合わせで完全に定着させます。
「直平(チョクヘイ)の、繋いで九ちゃん、午後午後(5、5.5)」
- 直平:必ず垂直(直)→水平(平)の順で思い出す
- 枠組足場:9m、8m(九ちゃん)
- 単管足場:5m、5.5m(午後午後)
必ず「垂直→水平」の順番で数値を当てはめる癖をつけてください。これで引っかけ問題に即座に気づくことができます。
4. 手すりの高さ「85cm」の根拠
墜落の危険がある場所に設ける手すりの高さは85cm以上、中桟は35cm以上50cm以下と規定されています。
この「85cm」は丸暗記するのではなく、根拠を知ることで定着します。建築計画の科目における大人の標準身長は160cmです。その半分の高さ(80cm)に5cmのゆとりを持たせた「身長÷2+5cm」が85cmの根拠になります。重心の半分より少し上に手すりがあることで、前かがみになった際の転落を防ぎます。
中桟の位置も、手すり高さの半分の位置(85cm÷2=42.5cm)を中心とした「±7.5cm(35cm〜50cm)」と理解すれば、迷うことはありません。
理解度チェックまとめ
以下のポイントを即答できるか確認してください。
- 墜落防止用の幅木の高さは?(15cm以上)
- 枠組足場の強度計算で、水平荷重を支持する部材は?(壁つなぎ)
- 枠組足場の壁つなぎの間隔は?(垂直9m以下、水平8m以下)
- 手すりの高さの基準とその根拠は?(85cm以上、身長÷2+5cm)
この記事を読んだあなたへ:確実に合格を掴むための次のステップ
この記事では、仮設工事の足場に関する基本構造と、試験で狙われやすい「引っかけのパターン」を解説しました。これだけでも確実に得点力はアップします。
しかし、実際の試験で合格点を勝ち取るためには、これだけでは不十分です。
仮設工事および現場管理には、今回解説した内容に加え、以下の必須知識が存在します。
- 仮設材の安全係数(吊り足場のワイヤーロープと鎖での数値の違い)
- 巻尺(メジャー)のテープ合わせにおける適正な張力と手順
- 労働基準監督署と都道府県知事への「各種届出書類」の確実な仕分け
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