ご質問ありがとうございます。
分散熱源方式におけるマルチユニット方式とパッケージ型空調方式の違いは、室外機と室内機の関係性および系統の構成の考え方にあります。
マルチユニット方式は、1台の室外機に対して複数の室内機を接続する方式です。
室外機内で冷媒を圧縮・凝縮し、その冷媒を複数の室内機へ分配します。
各室内機は個別に運転や停止が可能で、インバータ制御により冷媒流量を可変させながら、部分負荷に効率よく対応できます。
つまり、1つの系統の中で複数の室をまとめて制御する仕組みであり、ゾーンごとの運転管理に優れています。そのため、中小規模から中規模程度のオフィスビルやテナントビルなど、部屋ごとの使用状況が異なる建物に適しています。
一方、パッケージ型空調方式は、基本的に室外機と室内機が1対1で構成される独立系統の方式です。
各室ごとに空調機が1セット設置され、それぞれが独立して運転します。
冷媒の放熱方法には空冷式と水冷式があり、空冷式は室外機で放熱し、水冷式は冷却塔を用いて放熱します。
各系統が完全に独立しているため、1台が故障しても他の室には影響しにくいという特徴がありますが、部屋数が増えると機器台数も増加します。
したがって、両者の本質的な違いは、マルチユニット方式が「1台の室外機で複数室をまとめて制御する方式」であるのに対し、パッケージ型空調方式は「室ごとに1セットで独立して構成される方式」である点にあります。
規模の目安としては、小規模な建物や個別店舗などではパッケージ型が多く用いられ、中小規模から中規模の建築物ではマルチユニット方式が広く採用されています。