■ 基本の考え方
免震構造は、建物の「固有周期を長くする」ことで、建物に生じる加速度(地震力)を小さくし、力を逃がす仕組みです。
一方、制振構造は、建物内に組み込んだ「ダンパーをあえて変形・損傷させる」ことで、地震の入力エネルギーを吸収し、建物の揺れを抑え込みます。
試験においてはこの大前提の違いと、エネルギーを吸収・遮断するための装置(ダンパーやアイソレーター)の物理的な特性が問われます。
■ 解き方の手順
本試験で免震・制振の問題が出題された際は、以下のステップで思考を展開します。
- 対象が「免震」か「制振」かを特定する
問題文がどちらの構造について問うているかを確認し、頭を切り替えます。 - 装置の特性を物理的にイメージする
・履歴型(鋼材)ダンパーなら「塑性変形」で力を吸収するため、小変形(弾性範囲)では効果がない。
・オイルダンパーなら「粘性抵抗」を利用するため、揺れが小さい段階から効果を発揮する。
・積層ゴムなら「圧縮には強いが、引っ張りには千切れる(弱い)」。 - 建物の挙動と矛盾がないか判定する
例えば、「制振ダンパーの取付部の剛性を小さくした」という記述が出た場合、「取付部が柔らかいと、そこだけが曲がって肝心のダンパーが変形しない=効果が落ちる」と論理的に誤りだと判断します。
■ よくある間違い
過去問演習で多くの受験生が陥るのが、「主架構(柱や梁)」と「ダンパー」の強さの混同です。
例えば、「制振ダンパーの体力は、主架構より大きくする」と勘違いしてはいけません。なぜなら、ダンパーが柱や梁より強ければ、ダンパーがエネルギーを吸収(塑性変形)する前に、建物の主要な骨組みが壊れてしまうからです。
修正方法はシンプルです。「ダンパーは主架構より先に降伏(変形)させる身代わりである」と認識してください。そのため、通常の鋼材(SN400等)よりも早く降伏する低降伏点鋼(LY225等)がダンパーの材料として採用されます。
■ 得点のコツ
未知の選択肢に出会ったときの判断基準は、「極端な状態を視覚化して時間短縮する」ことです。
- 「積層ゴムのゴム1層を分厚くしたら?」
→上からの重みで横に大きくはらみ出し、建物を支えきれなくなる(だから薄いゴムと鋼板を重ねる)。 - 「高層ビルの免震装置に点倒モーメント(引き抜き力)がかかったら?」
→ゴムは千切れる(だから引っ張りが生じる場所には転がり支承を使う)。
このように、「なぜその形をしているのか」という事実をベースに判断すれば、迷う時間をゼロにできます。
4. 理解チェック(ミニまとめ)
- 免震は「周期を長くして力を減らす」、制振は「ダンパーを変形させてエネルギーを吸収する」
- 鋼材ダンパー(履歴型)は塑性変形で効くため、小変形では効果がない
- オイルダンパーは粘性抵抗のため、小変形から直ちに効果を発揮する
- 制振ダンパーは主架構より先に降伏させ、取付部周りは変形させない(剛性を高くする)
- 免震層で引抜力が生じる場合、積層ゴムは適さず「転がり支承」などを採用する
ここまでで、考え方は理解できたと思います。
ただし、本試験では
この記事はあくまで「考え方の整理」です。
▶︎ この内容をそのまま使って“実際に解く講義”がこちらです
- 実際の過去問での使い方
- どこで判断するのか
- 計算・図解の具体的プロセス
- 試験での解き切り方
まで、すべて解説しています。
👉 この記事の内容をそのまま“実戦レベル”に引き上げた講義です
■ 体系的に学びたい方へ(補足)
今回の内容はシリーズの一部です。
同じ考え方を繰り返し使えるようになることで、本試験でも安定して得点できるようになります。
サポ塾メンバーシップでは、
- 今回のような講義を体系的に学習
- 過去問ベースで「解ける力」を定着
- 同じ思考で解ける問題を反復
できます。